中学受験シーズンになりました。小学生のいる家庭では「うちは受験をしようか、公立中に行かせようか」と話し合っているのではないでしょうか。そこで、中学受験に詳しい森上教育研究所社長の森上展安さんに、中学受験と高校受験の違いや、今後中学受験がどのように変わっていくかを聞きました。

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わが子の成長を見極めよう。受験勉強を楽しめる子は中学受験向き

編集部(以下――) 中学受験か高校受験かで悩んでいる親に、どのようなポイントで決めたらよいか、教えてください。

森上展安さん(以下、森上) 小学校3年生の3学期くらいになると、進学塾に行くか行かないかという準備教育を受けさせる段階の悩みが出てくるでしょう。「周りの子が行っているから自分も行く」と、子どものほうから言い出すかもしれません。

 まずはわが子をよく見てください。小学生の子どもたちの成長の早さはさまざまです。子どもは楽しんで受験勉強に取り組めそうでしょうか。これが中学受験をするかどうかの大きなポイントになります

 例えば、小学校3~4年生くらいになると、成長の早い子どもの中には、公立小学校の授業の内容では物足りないという子が出てきます。知的な刺激は子どもを成長させる原動力になりますから、こういった子が中学受験に向けた勉強をした場合、面白がって取り組める可能性があります。一方、精神的にまだ幼い子どもは、中学受験の勉強を楽しむことはできません。本人が嫌がっているのに無理やり続けさせると、目に見える暴力ではないとしても、教育虐待になりかねません。