日本最大級の働く女性の総合イベント「WOMAN EXPO TOKYO 2018Winter」。12月1日のパブリックデーのセッションにデル株式会社コンシューマー マーケティング部長の横塚知子さんが登場しました。外資系女ボスとしてメール術や英語の勉強法の記事が注目を集めた横塚さんに日経xwoman編集長(日経DUAL創刊編集長)の羽生祥子が「学び」をテーマにインタビュー。キャリアの過程でどのように学んできたか、読書を大切にする横塚さんにとっての「読む・書く・考える」とはどのような時間かをじっくり聞きました。トークセッションに引き続き、交流会も開催。日経DUAL編集長の片野温が横塚さんのプライベートの魅力を引き出し、横塚さんと参加者達とのトークも盛り上がりました。セッションの様子をリポートします。

「笑って働く奴は強い」を学んだ1社目、情報整理の仕方を学んだ2社目

デル株式会社コンシューマー マーケティング部長の横塚知子さん(右)と日経xwoman編集長(日経DUAL創刊編集長)の羽生祥子
デル株式会社コンシューマー マーケティング部長の横塚知子さん(右)と日経xwoman編集長(日経DUAL創刊編集長)の羽生祥子

日経DUAL編集長 羽生祥子(以下、──) 今日は外資系女ボスといえばこの方という女性にお越しいただきました。華やかな外資系の世界に居ながら、学びの努力も欠かさないという横塚知子さんに、「学びの達人」としてその極意を聞いていきたいと思います。

横塚知子さん(以下、横塚) 皆さん、こんにちは。横塚知子と申します。デル株式会社コンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部 コンシューマー マーケティング部で部長をしております。プライベートでは夫と、12歳と8歳の娘がおり、夫はチャイニーズアメリカンです。娘たちはインターに通っていて、夫と話すときは英語、私と話すときは日本語。私と夫は日本語と英語で会話をしています。

── 横塚さんはデルが3社目なんですよね。1社目でセールスの仕事をされて、その頃のお話は「外資系女ボスたちのメール術「音声入力、朝4時集中」」 で詳しくお聞きしました。「学び」というポイントから印象的なことはありましたか?

横塚 その会社の社長に言われた「どんなに賢い奴も、笑って仕事をする奴には勝てない」という言葉があります。毎日楽しんで仕事をやっている人にはパワーがあり、そういう人は最強だということです。仕事をしているとつらいこともあります。でも、そんな毎日をどうやって楽しんで行こうか考えるということをこの言葉から学びました。

── 2社目は車業界。ここでマーケティングの世界に入られたのですね。セールスからマーケティングに移られて、ご苦労もあったのでは?

横塚 そうですね。上司がとても厳しくて細かい人でした。どんなふうに資料を書くか、どんなふうに考えるかということから始まり、知識がないときはとにかく本を読み、読んだら紙に書いてアウトプットをしなさいと、厳しく指導されました。

── 紙に書くんですか?

横塚 白い紙をドンと渡されて、知識として蓄えたこと、頭にあることを全部絵に描くんです。そうやって頭の中を整理していくことをひたすらやりました。

英語ができないのに採用してくれた今の会社に感謝

── それから2005年にデルに移られて、今もデルですね。

横塚 13年になります。デルに移ったきっかけはいつかは海外で働きたかったからです。「外資系女ボスたちの英語上達術、グローバル出世術」でお話ししましたが、私はデルに入社したとき、自分の名前を言うのがやっとの英語力だったんです。

── それでも、面接を切り抜けられたのですか。

横塚 ラッキーということもあったと思いますが、そのとき私を面接してくれたボスが、私が英語ができないことには目をつむって期待をかけてくれたんですね。「あなたなら頑張れるから、集中して英語の勉強をして、早くキャッチアップしてください」と言われました。

── デルで働きたいという情熱を日本語で伝えられたのですね。英語が流暢でなくても、熱意が伝わる。これは皆さん、勇気が出ますね。

横塚 英語ができない私にチャレンジの機会をくれたことに対しては寛容な会社だなと思いますし、感謝もしています。デルのようなグローバルな会社で、英語ができない人ことを採用するのは、かなりリスクがあることです。私が採用の立場だったら、悩むと思います。

 そして、デルという会社は革新的でもあります。デルというとパソコンを思い浮かべる方が多いと思うのですが、実はITに関する全てのソリューションを提供しているんです。この先の未来がどうなるかと予知しながら、プロダクトを開発しています。

 時に人は「物事はこうだ」と考え方が固まってしまったり、自分なりのルールにこだわってしまうことがあります。でも、デルという会社の方向性は常に革新的。柔軟性があり、先を読む力もあります。そういう会社で働くのは楽しいし、この仕事も好きです。

 今働いているマーケティングという部署にいる人たちのことも、私はとても尊敬しているんです。一人一人と話していると、こんなふうに考えるのかと感心することばかり。「あぁ なるほど」という気付きや発見をいつも与えてくれます。これは私にとって会社に行く楽しみなんです。

── 仕事が好きと言うだけでなく、チームのメンバーを尊敬していて、チャンスをくれる会社に感謝をしていて、世の中の次のことを予知していくことに面白さを感じている。仕事や職場をこんなふうにとらえることで、毎日笑って仕事ができるのかもしれませんね。