正しい英語のリズムや音を、徹底的に体得させるレッスン

ふたりのお子さんをお持ちの、ヤマハ英語教室で講師を務める渡辺れもんさん。
ふたりのお子さんをお持ちの、ヤマハ英語教室で講師を務める渡辺れもんさん。

 「私たちが幼少期から実践しているのは、“歌”や“チャンツ”を活用したレッスンです。音楽教室を運営してきたヤマハが、長い歴史のなかで培ってきた音楽のノウハウを活かし、英語教室のために書き下ろしたオリジナルソングを使用することで、英語特有の言語リズムが自然と身につくように工夫されています」

 それゆえヤマハ英語教室では、遊び感覚で英語を習っていたのに、いつのまにか力がついている生徒も少なくはありません。

 「オリジナルソングの歌詞は会話形式となっていて、楽しく歌っているうちに、音楽がなくても自然ときれいな英語のリズムで話せるよう考えられています。実際、2歳からヤマハ英語教室に通ってきたお子さんが、わずか1年で正しい英語の音が口から出るようになり、親御さんの方が、『いつのまに?』と驚かれる姿もよく見られます」

 「聞く」ことの上に積み上げられるのは「書く」ことも同じです。アルファベットのレッスンは4~5歳から始まりますが、その際には、単に「A」という文字を見せてそれを書き写すのではなく、まず“A for apple”のように、講師が正しい発音でそれぞれのアルファベットの持つ音を聞かせます。そのアルファベットが単語の中でどのように発音されるのかを気づかせた上で、大文字では「A」、小文字では「a」といった具合に、徐々に「書く」ことを積みあげていくのです。

1万3000人が「英語で発信したい!」とイベントに参加

 また、ヤマハ英語教室では、英語での実践的なコミュニケーションに欠かせない「自主性を育む指導」にも力を入れています。

 日本人にとって「読む」「書く」よりも「聞く」「話す」のハードルが高いのは、自分の意見を人前で伝えることを恥ずかしがったり、遠慮したりする人が多いから、と言われています。しかし、ヤマハ英語教室の生徒やOB・OGには、むしろ、自発的に英語で話すことを楽しむ姿が見られるのです。

 たとえばそれは、1992年に始まった「ヤマハ英語フェスティバル KIDS & ENGLISH」に積極的に参加しようとする姿からもわかります。日頃の学習成果を確認するため、年に一度行われるこのイベントは、小学生以上の生徒が、英語でのパフォーマンスを撮影して応募する形がとられていて、あくまでもやりたい人が自主的に参加するスタイルです。
 それにも関わらず、2017年度に送られてきた作品総数は、なんと4177点! 1万人を超える生徒が参加したそうです。

子どもの自主性を引き出すレッスンの工夫

 「英語で伝えたい」「英語で発信したい」という生徒たちの強い気持ちを育む指導について、渡辺さんは3つのポイントをあげます。

 「1つには、お子さんの『伝えたい!』という気持ちに合わせた指導をしていることです。私たちは、単語や文章を繰り返し発語させるだけではなく、4~5歳になると、『自分だったら何が欲しい』と自分で言葉を選んで話させ、小学生になってからも、ペアワークを通して、講師の質問を『待つ』のではなく、自分たちで会話活動をしながら『自ら発信』する姿勢を育んでいます」

 「また、生徒自身で『体得した』と感じられることも意識しています。文法を教えるにも一方的に教え込むのではなく、メインとなる文章の単語を入れ替え、それによる文章の変化を、子どもたち自身に『気づかせる』ようにしているのです。時間はかかりますが、だからこそ生徒はやらされているのではなく、『自ら学んでいる』と感じられるのではないでしょうか」

 さらに、クラスの最大人数が8人までと少人数であることもポイントです。レッスンでは1人ずつ発話する機会も多く、こうした「英語で話すことが当たり前」という指導や環境が、生徒の自主性を育んできたというのです。