夫にちょっとくらい失敗があっても文句は言いません

後藤 お店を切り盛りしながら子育てするのは相当の大変さだっただろうなと、改めて実感します。昼間にお店の買い出しをして仕込みをし、その後営業は夜遅くまで。お客さんにお酒を勧められたら、飲まなければいけなかったはずなのに、それでも毎朝早く起きて朝ごはんを準備し、学校の登校班の付き添いなどもしてくれました。お店に出る前に夜ごはんの用意をしてから出かけていましたし、子どもたちのことが最優先だというのをすべてから感じていました。

—— 後藤さんもお仕事でお忙しい中、お子さんが何でも食べられるようにと、お料理には工夫を凝らしていますよね。

後藤 今はまだ子どもたちが小さいので、手作りのほうがラクというのもあるんですよ。買ってきたものや外食だと、味が濃かったり、適量じゃなかったりするので、自分で量やお肉の柔らかさを考えたほうがたくさん食べてくれるかなって。おかげで子どもたちは今のところ好き嫌いなく、ピーマンなどの野菜も大好きです。夫の好物が汁ものなので、大抵の食事につけるんですが、スープだとセロリとかクセがありそうな野菜でも細かく刻んで入れられます。ごはんは食べやすいよう小さく型抜きしたりはしますけど、上の子には焼き魚とかおひたしとか、もう大人とあまり変わらないものを出しています。

—— ブログにアップされている日々の食卓を見ると、バラエティーがとても豊かだなと思って。

後藤 母や姉に教わったレシピも多いですよ。だから、はっきりとした正確な分量や手順はないです。何度も食べた味を思い出し、再現しているだけで、自分が作りやすいようにアレンジしたり、家族の好みに変えたりしています。週末に外食することもありますが、基本は家で食べるのが好きです。

—— 料理はほぼ妻の担当ですか?

後藤 結婚してからずっとそうですが、最近は夫に少しずつできるようになってもらおうと、時間のあるときは一緒にキッチンに立ったりもしているんです。頑張ろうとしてくれているので、ちょっとくらい失敗があっても文句は絶対に言いません! 感謝の気持ちを忘れないようにしています。夫はハンバーグが好きで、ハンバーグのときは当たり前のように2種類のソースを求めてくるんですよ。正直、「面倒だなぁ」と思いながらも作っていましたが、これからはソースも自分で作ってくれるようになるかなあ。

 たまに私が仕事で夜遅くなっていない日は、朝にカレーやシチューを作っておいて、温めるだけでいいように準備していきます。夕飯前の時間になったらLINEで「ミニトマトはどこどこにあるから、子どもが食べたそうだったらあげて」とか「電子レンジで何分くらい温めてね」などと伝えます。夫は全く料理しないわけではないですが、子ども二人の面倒を見てバタバタしていると余裕がなくなって、自分が食べなかったりするんですよね。それだと困るから…。一度、焼けばいいだけのステーキを準備して出たとき、それすらも焼けなかったと言っていましたし、ごはんに関しては得意な私のほうが主に担当するのでいいかなと