絵本読み、おうちごっこ 子どもの遊びにはトコトン付き合う

ヒロシ 会社員の妻よりも僕のほうが時間の調整がしやすいので僕が病院に連れて行くことが多いです。でも、僕はシンのように「権利」だからやらせてほしい!という感じではないですね。子どもは好きだけれど、夫婦ともに育児は苦手なタイプ。それでもやらないと回っていかないから、やっているという感じです。本当に全然ダメなパパなんです(笑)

シン えーちゃんも育児をやりたいタイプだよね。

えーちゃん そう。うちは妻はもちろん、一応僕も育児が好きだから自然に育児をしている。ヒロシのところが育児苦手&苦手夫婦だとしたら、うちや、シンのところは育児好き&好き夫婦だね。

ヒロシこと川元さんは5才と2才の姉妹のパパ
ヒロシこと川元さんは5才と2才の姉妹のパパ

ヒロシ 僕は子どもたちはとってもかわいくて大好きなんだけど、遊ぶのは完全に苦手です。うちは5才と2才なんだけど、同じ絵本を何度も読まされるし、おうちごっこ(おままごと)もさせられる。おうちごっこでは、「さよちゃんはバブ(赤ちゃん)で、わたしはお姉さん、お父さんはお父さんね」と。こっちは「え! 普段と同じじゃない? そのコンセプトよく分からないわ」って思うんですが、でも、やるんですよね。延々と抱っこさせられたり(笑)。そういう、ロジックが通じないところが苦手です。

シン そこがかわいいのに! 僕は、同じ絵本でもいかに違う反応を引き出すかに挑戦して、あえて読み方を変えてみたりしますよ。そうするとキャラキャラ笑ってくれるのが楽しい。

ヒロシ そうなの!? 2人とも育児すること自体も好きだったんだね。本当に尊敬するなぁ。僕はやらなきゃいけないなら、いかに楽しむか、みたいな感じ。早く大きくなってもらって子どもたちと普通に話したい(笑)。

画一的な「イクメン」には違和感 各家庭で決めることでは?

―― 皆さん、寝かしつけもお風呂も遊びもバッチリされていますね。子どもを愛し、妻を愛し、実際に育児もして、と。まさにイクメンですが、イクメンという言葉をどう感じていますか?

シン これは僕個人の感じ方なんですが、子どもが生まれる前、なんでイクメンがもてはやされるのだろうと思っていました。育児をする・しない、はそれぞれの好きでいいじゃないか、と思っていたんです。

 そもそも、イクメンという言葉は、男性が家事・育児をしないものという前提で生まれた言葉という感じがします。家事・育児をする男性はかっこいいとたたえることで、社会の男性全体に参加を求めるようなニュアンスがあり、そこに違和感があるんですね

 女性でも男性でも、家事や育児をすごくやりたい人がいればやったらいいですし、反対に仕事をやりたいという人もいると思う。色々な考えの人がいる中で、夫婦がお互いにどのくらい家事・育児をするかは、各家庭で決めればいいんじゃないかなと、僕自身は思っています

ヒロシ 僕も個人的には同じ考え。ただし、これまでの社会を振り返ってみると、男性の育児参加が進まなくて困っている家庭がとても多かったという事情もある。だからこそ、イクメンというのは、最初は褒め言葉のニュアンスが強くて、女性の社会参画を促すためのツールとしても使われた。そういう社会的な役割はあったよね。だから、社会の負の部分に光を当てて、それを解消してくれたという意味では、イクメンという言葉に「ありがとう&さよなら」と言わなければならないですよね