連載「共働き中学受験 基本のキ」でおなじみの中学受験専門のプロ家庭教師・西村則康さんによる日経DUAL読者セミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活用する家庭学習のコツ」を、10月14日、オンラインで開催しました。第1部の内容を前編と後編でリポートします。今回は過去問の使い方についてです。セミナーの一部分(約12分)の動画もご覧ください。

過去問に取り組む目的とは

 受験生の6年生は今、志望校の過去問に取り組んでいる時期ですね。志望校の過去の入試問題とはいえ、4科目の総合得点が合格最低点に達したかどうかといった現実を突きつけられると、「このままでは厳しいかもしれない……」と自信をなくしてしまうかもしれません。

 「過去問は子どもに危機感を持たせるために解かせるものではありません。初めは思うような点が取れないかもしれませんが、少しずつ入試問題に慣れ、点数を上げるためにどこを強化すればいいかを考え、本番に向けて学力を整えていけばいいのです。そのためには、『もっと勉強しなさい!』『そんな勉強じゃ合格しないよ!』と子どもに負荷を与えるのではなく、答案用紙を分析して『ここまではちゃんと理解できているね。あとここさえできれば合格最低点に到達するね』といったように、『ここさえ頑張ればなんとかなりそう』と成功の予感を持たせることが大事です」と西村さんは言います。

 では、過去問はどのように進めるのがいいでしょうか。西村さんはこうアドバイスします。

 「過去問は志望校の入試傾向をつかむものです。傾向対策は基礎学力の上に積み上げるものであって、基礎学力がまだ定着していないのに始めても意味がありません。基礎学力の演習問題としておすすめしたいのが、併願校の過去問です。例えば偏差値65の学校が第1志望の場合、偏差値50~60の学校の過去問が基礎学力を身に付ける演習問題として最適だということです」

 「過去問は第2志望、第3志望の学校から始めてみましょう。そこである程度、自信をつけてから第1志望校の過去問に取り組んでください。くれぐれも先を急がないことです。ただし、既に基礎力が身に付いているという場合は、第1志望の過去問から取り組んでもいいでしょう」

受験校は入試傾向が似ている学校を選ぶ

 「そして、もう一つ大事なことがあります」と西村さん。それは、複数の学校を受けるときに、受験校は入試傾向が似ている学校を選ぶということです。

 「ひとくちに中学入試といっても、各学校の入試傾向は、知識系や思考系などさまざまです。もし、違うタイプの問題を出す学校を複数受験するとなると、その対策が大変です。頭の使い方も違うので、混乱を招く結果となります。そこで、受験校は入試傾向が似ている学校を選ぶことが重要になります」

 具体的な例を西村さんは挙げます。

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