世界各国から集まった有名大学の留学生を、家庭教師やベビーシッターとして家庭に派遣するサービス「シェズモファミリー」。前回は代表の今西由加さんに、サービス立ち上げまでの経緯やプログラムの内容について聞きました。でも、いざ利用するとなると「わが家に外国人留学生が来るってどんな感じ?」「子どもたちは人見知りせず外国人と付き合えるの?」と、最初は緊張や戸惑いがあるかもしれません。そこで実際にライター宅へシェズモファミリーの留学生「シェズモバディ」に来ていただき、小2男子、年長女子の二人の子どもたちを相手にどんなふうに過ごしてくれるのか、体験取材をしました。

 英語はまったくビギナーの二人。ブラジルからやってきたお姉さんとどんな時間が持てるのか。その後の変化は?  いざ、挑戦です。

5カ国語が話せるブラジルからの留学生が、うちにやってきた!

 わが家にやってきてくれることになったシェズモバディは、ブラジル人のリア・サンティさん(25歳)。東京大学大学院外国人研究生として国際関係学を研究している国費留学生で、シェズモファミリーに関わって3カ月目です。

東京大学大学院に通う留学生のリア・サンティさん
東京大学大学院に通う留学生のリア・サンティさん

 ブラジル人の両親のもと、アメリカで生まれブラジルで育ったという彼女は、幼いころからブラジル国外で活躍できる国連職員や外交官になりたいという夢を持ち、そのために語学の習得にも力を入れました。

 現在話せるのは、ポルトガル語、英語、フランス語、スペイン語、日本語の5カ国語

 日本語の勉強を初めてまだ4年ということですが日常会話はもちろん、研究対象である「南米における日本ブラジル間の開発支援について」などといった難解なトピックスも日本語でスラスラ説明してくれるほどの才女です。英語力も完璧で、ネーティブスピーカーと変わらないほどの美しい英語を話していました。

 一方、わが家の子どもたちは、小学2年生の長男と、年長の長女。「ハロー、マイネームイズ……」くらいは言えるものの、全くの英語ビギナー。人見知りが強い性格なのも心配です。そのことを伝えると、リアさんは笑って言いました。

 「年の離れた妹に勉強を教えていたので、英語を教えることは私にとって日常の中にあるもの。それほど難しいと感じることではありません。それに、子どもなんですから、英語じゃなくても知らない人とすぐに話せなくって当たり前。大丈夫ですよ」

 大学の長期休みには、日本の学童での指導経験もあるという子ども好きのリアさんの笑顔にホッとしたのもつかの間、わが家にやってきたリアさんを見て、長女は懸念していた人見知りが大全開。昨晩練習していた、「ハロー」も言えず固まってしまいました……。

 リアさんの故郷ブラジルがどこにあるか、日本がどれだけ離れているか、地球儀で説明してくれているのに、リアさんを見ようともしない娘……。ハラハラする親をよそに、リアさんは気にせずニコニコと娘に話しかけてくれます。

 「まだちょっと、地図のお勉強は難しいよね。よし、じゃあ、早速、ice creamを作ろうか」

 アイスクリーム、という言葉に反応を示した娘の様子を見て、リアさんはさらに声をかけます。

 「実験スタート。Let’s start cooking!」

 さて、どうなるのでしょうか?