親は子の一番のファンに

―― そんな風に考えたことはありませんでした! でもやっぱり、上達には練習が必要ですよね? どうしたらうまく促せるでしょうか。

 ピアノは孤独な楽器です。オーケストラで演奏される他の楽器のほとんどは、複数人で演奏したり、伴奏者がいて演奏するものです。でも、ピアノは一人で弾く楽器。他者への意識がとても低いため、誰かに聞いてもらうことが強いモチベーションになると考えています

 とはいえ、お母さんやお父さんが仕事や家事で忙しいと、聞いてあげることも簡単なことではないでしょう。私も自分が親になってみて、お母さんってなんて忙しいんだ! と驚きました。お子さんが練習する時間にじっくり腰を据えて聞くのは難しいでしょうから、例えば子どもの演奏を録音しておいて、夕飯後に一緒に聞くなどでも十分だと思います。

 今は、Youtubeに演奏を投稿するコンテストもあるんです。そうしたコンテストなども、お子さんのモチベーションアップにいいかもしれません。普段は一人で演奏する孤独な楽器だからこそ、誰かに聞いてもらえることがとてもスペシャルで、テンションが上がることになると思います。

 振り返って思えば、母や友人やが自分の演奏を楽しんでくれることが、私の練習の支えになっていました。そもそも音楽は人と共有するものです。特にお母さんって、子どもにとっては最強であり特別な存在です。なので、親御さんにはぜひお子さんの一番のファンでいてあげてほしいのです。そうすることで、自分からやりたいという思いが芽生えると思います。