子どもにどんな習い事をさせてあげようーー。そう思ったときに、ピアノを検討する家庭は多いでしょう。「器用になりそう」「音感が良くなりそう」など、ピアノを習うメリットを耳にすることがありますが、実際に人生を通して音楽に触れて感じる良さとは? 作曲家の轟千尋さんに聞きました。
■後編 「ピアノ練習しなさい」イライラ親にならないために
演奏を通じて他者の気持ちに寄り添えるように
―― 轟さんが感じる、音楽・ピアノの良さとは何でしょうか。
私は4歳から音楽を始めました。私自身は習っていた時には、「ピアノによって得られるメリット」などは考えてはおらず、ただ単純に好きだったため、続けてきました。ですが、振り返ると、結果的に良かったなと思えることがたくさんあります。
あくまでも音楽家として感じることなのですが、まず音楽によって「考える力」が付いたと思います。うまく弾けなかった時には、なぜうまくできないのかを考えます。私自身は、なぜできないのかを逆算して練習の方法を考えていました。そのことによって、自身の思考力が育てられたように感じます。
そして、楽譜に向かい合うことで、「想像力」も付いたかもしれません。私は、楽譜とは作曲家からのメッセージのようなものだと思っています。音符や記号が羅列されているだけのものではなく、作曲家の感情やアイデアが詰まっているものです。例えば、譜面の中でf(フォルテ。強く弾く)が使われていたとします。なんとなくfが付いているのではなく、そこには作曲家が込めた、伝えたい考えがあるはず。楽譜をそのように読み物と捉えることで、「想像力」、読み解く力が育まれたような気がします。
―― 音楽やアートを習うことで、表現力が身に付くとも耳にします。

次ページから読める内容
- 手を骨折。ピアノを弾けない苦しさを味わった
- 努力の汎用性が受験にも役立った
- 無心に向き合える選択肢の一つ
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