子どもの権利にもっと意識を 不登校の子も学ぶ権利がある

 山崎さんは、子どもを取り巻く大人たちや教育現場、ひいては日本の社会全体が「子どもの人権を尊重していない」と感じていると言います。

 電車内でベビーカーに白い目を向けるだけでなく、最近は赤ちゃんを支える抱っこひものバックルを外すという悪質な事件も起きています。「子どもに対して社会があまりにも非寛容で、国の経済的支援も薄い。このため、親にかかる負荷が大きすぎて、子どもを自分の所有物だと勘違いしたり、虐待したりしてしまうのではないでしょうか」

 子どもの人権に対する意識は、教育政策を考える上でも重要だと、山崎さんは言います。

 9月1日の「いじめ自殺」問題などが注目を集める中、2017年には不登校児らに多様な学びの場を提供することを目的とした、教育機会確保法が制定されましした。

 しかし、法施行後、世間では「学校に行かなくてもいい」ことだけが強調され、子どもたちの「教育を受ける権利」は置き去りにされがちです。山崎さんは「不登校の子どもたちに、学校と代わる教育の場を提供しないのは『権利の保護』を怠ることだと、大人は肝に銘じる必要があります」と語ります。