ホストファミリーになりたいと思ったら、どうすればいい?

 ホストファミリーになってみたいと思ったら、留学受け入れ団体に登録をすることが最初の一歩です。

 「私たちの場合は、ご連絡をいただいたら書類をお送りするので、まずはそちらに記入、登録をしていただきます。条件に合う留学生が出てきたらご連絡をして、面談などを行って、成立という流れになります。通常は、研修期間中の2週間、または高校通学中の3カ月以上、最長10カ月間というのが受け入れ期間なのですが、ホストファミリーが旅行や冠婚葬祭などで不在になる際に、急きょ1~3泊、1~2週間など、超短期間での受け入れをご相談する場合もあります」

 基本的に、英語力はそれほど問われないそうです。

 「もちろんある程度英語ができたほうが、留学生がまだ日本語がしっかり話せない場合にコミュニケーションをとりやすいとは思います。でも最近はスマホで簡単に単語を調べたり翻訳したりできますし、一般的に日本人は中学・高校で英語を勉強してきていると思いますので、その範囲でも十分基本的な意思疎通はできると思います」

海外に留学してホームステイをする際に気を付けたいこと

 逆に、もしわが子が将来留学をしてホームステイをする立場となった場合の注意点についてもお聞きしました。

 「海外にホームステイに行く日本の学生には、『郷に入っては郷に従えが基本だから、“自分の国ではこうだ”と言わないようにしましょう』と伝えています。例えば、洗濯を毎日するのは、実は日本くらいかもしれません。アメリカでは週に1度ということも多く、『まだ洗濯してくれないんです…』と、困ってしまうことも。『その家庭はそういう方針だから、下着や洋服は7枚以上用意しておきなさい』と話しています。

 今はスマホで情報収集から勉強まで色々なことができる時代ですが、リビングでスマホばかり見ていたら、やはりホストファミリーの印象はよくないですね。自室にこもってばかりというのも、顔を合わせたくないのかと思われてしまいます。『なるべくリビングにいて、ホストファミリーとコミュニケーションをとりましょう』と伝えています。

 食文化も大きく異なるため、それを受け入れることが必要でしょう。『食事を写真に撮って、“夕食、こんな感じだよ”と日本の母に送ると、『まあ、茶色っぽいものばかりで野菜がないじゃない。ビタミンC取らないと!』と驚くケースがあるようです。でも、『栄養バランスを考えて、お肉やお魚、色とりどりの野菜を出すのは日本人だけですよ』などとお伝えするようにしています」

ホストファミリー期間だけでなく、長く国際交流が続くケースも

 ホストファミリー経験者からは、「その後も仲の良いお付き合いが続いて楽しい」という声も多いとか。

 「特に、3カ月以上など長期で受け入れをした場合は、留学生が帰国した後に、みんなでその国に遊びに行ったり、結婚式に呼ばれたりというケースがあるようです。ホームステイ後もお付き合いが続いていくというのは真の国際交流ですから、私たちとしてもとてもうれしいことです。

 人間関係は相性にもよるので、ホストファミリーをすれば必ず楽しい国際交流ができるとは言いきれませんが、外国人留学生をわが家に受け入れるという大きな経験を、ぜひ楽しんでいただけたらと願っています」

ホームステイを終えて(筆者コメント)

筆者の場合、ホームステイ期間中にこれといった大きなトラブルはなく、楽しい思い出ばかりだったので、照井さんのお話を聞いて、非常に恵まれていたのだと分かりました。初めてのホストファミリーでうまくいった家庭が、再び受け入れたときはうまくいかず、「こんなはずでは…」と驚くケースも珍しくないそうです。人と人との関係は、相性が大きな影響を及ぼします。「様々なことが起こり得る」ことを念頭に置きながら、一時的ではありますが大切な家族として、お互いを思い合える関係になれたらと思います。気になった方は、ぜひホストファミリーに挑戦してみてください。

八ヶ岳にて、戯れるAくんと子どもたちを眺める筆者
八ヶ岳にて、戯れるAくんと子どもたちを眺める筆者

(取材・文・写真/西山美紀 イメージカット/iStock)