受け入れが「基本無償」になっている理由

 驚く方もいるかもしれませんが、ホストファミリーをする場合は“無償”が基本です。

 「交換留学というプログラムはアメリカが発祥なのですが、アメリカの国務省では『ホームステイでは謝礼を渡してはいけません、もらってはいけません』という規定があります。受け入れる高校も学費は無償、ホストファミリーも無償、参加する学生も手数料は払いますが、謝礼の支払いはありません。みんなが国際交流をするというプロジェクトの参加者だからです。

 自分の子どもが交換留学を経験した後なら、この仕組みをよく理解できるのですが、そうではない方がホストファミリーになる際は『こんなに手間がかかるのに無償なの?』と驚かれることもあります。

 ただ、市町村が世界各地の姉妹都市と独自に交流プログラムを設け、1泊2日や3泊4日などのホストファミリーを募集するケースでは、1泊3000円程度の謝礼を支払うことが多いようです。民間の会社が仲介した場合は、ホストファミリーに高額の謝礼を用意しているケースもあります(ただし、留学生の個室に加え、専用のクローゼットやタンス、机、1日3食などの用意が必須ということが多い)」

 高校留学の受け入れ団体・派遣団体の多くは、今も基本的にホストファミリーは無償で行っているそうです。

 「日本では、アメリカの国務省が通達しているようなルールは特にありません。私たちは小さな団体なので、ホストファミリーを見つけるために、薄謝ではありますが、1週間5000円の謝礼をお渡ししています。『あれだけたくさんお世話をして、たった5000円?』と驚かれることもありますし、留学生を受け入れて『電気代が2倍になった』『食費がかなりかかった』と言われる方もいます」

 ホストファミリーを引き受ける際は、謝礼目当てではなくプロジェクトに参加しているという意識で臨み、「国際交流が自宅でできる」というメリットを感じて受け入れるのがよさそうです。

 「ホストファミリーになることによって、『生活習慣や日本人との考え方の違いを学べて、いい刺激になった』『子どもたちとも仲良くしてくれていい経験になった』『日本の文化について、日本人でも知らないことが多く、一緒に考えたり調べたりして楽しかった』『留学生だけでなく、自分たちが成長できた』といった喜びの声もたくさん頂いています」

ホームステイは海外の人との交流を楽しむことが主題(写真はイメージカット)
ホームステイは海外の人との交流を楽しむことが主題(写真はイメージカット)