外資系女ボスたちの仕事や英語上達術を聞いた日経DUALの記事で注目を集めたデルの横塚知子さん。華やかなイメージの外資系企業にいながらも、朝4時に起き、集中してメールを返信したり、スパルタ英語塾に通うなど、コツコツと努力を重ねている姿に、デュアル世代からの共感が集まりました。そこで今回は横塚さんに「学び」についてインタビュー。ボスとして、個人として進化し続けるためにどのようなことを心掛けているか聞いてみました。

横塚知子さん
デル株式会社
コンシューマー&ビジネスマーケティング部 部長
 大学院卒業後、2社でセールス、マーケティングの仕事を経験。13年前にデルに入社。中国勤務を経て現職。2016年12月に「デル アンバサダープログラム」を立ち上げ、ユーザーとの交流にも注力している。デル入社時の英語力は、自分の名前を言えるだけ。5年前に奮起し、スパルタ英語塾で文法からやり直し、今も毎朝5時から30分間のオンライン英会話を欠かさない努力家。アメリカ人の夫、11歳と8歳の娘の4人家族。

横塚さんが登場した記事
 ■外資系女ボスたちのメール術「音声入力、朝4時集中」
 ■外資系女ボスたちの英語上達術、グローバル出世術
 ■外資系ママが公開 超集中!実践英語スキルの磨き方

チームメンバーの強みを生かし、相乗効果を生み出すのが仕事

 デルは、私にとって3社目の会社です。13年前にデルに入社して以来、マーケティング業務に一貫して携わっており、現在はコンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部の部長として、チームを率いています。チームはマーケティングのプロ集団。一人一人の強みを生かしながら、メンバー同士をどうコラボレートさせたら、どんな化学反応が起きるか。どうしたら100%の力を120%にすることができるか。そんなことを考えながら、日々取り組んでいます。

 デルは外資系ですが、私のチームのメンバーは、ほぼすべて日本人。日常会話は日本語です。しかし、やはりグローバルチームとやりとりする際には、英語が必要となります。

 私は帰国子女ではなく、留学経験もありませんから、英語でメールを書く際には、自分が言語的に未熟であること、相手の国の文化を熟知しているわけではないことを意識し、伝えるべきことが欠けていないだろうか、この言い回しで失礼にあたらないだろうかと十分気を付けるようにしています。

 私の現在のポジションはグローバルチームとのやりとりが頻繁にありますので、英語ができないでは済まされません。スカイプでの早朝英会話レッスンを続けているのは、そのためです。

厳しくても助けてくれる上司との出会いが、学びの気持ちを後押し

 以前の記事でも話しましたが、デルに入社したときの私の英語力は、自分の名前を言える程度でした。それでも採用してもらえたのは、それまでのキャリアで、恐れずに戦ったり、怖がらずに前に進んできたことが評価され、ポテンシャルを期待してもらえたからではないかと思います。

 私は今マーケティング部門にいますが、マーケティングについて徹底的に学んだのは社会人になって2社目の会社においてです。当時の上司からマーケティングのイロハを学び、マーケターとしてのモノの見方、考え方を徹底的に叩き込まれました。とても厳しい人でしたが、逃げずに食らいついていましたね。

 何も知らない世界に飛び込む不安や大変さもありましたが、それ以上に、新しいことを学ぶ楽しさが勝っていました。1社目ではセールスの仕事をしていましたが、マーケティングとセールスは似ているようで全然違いました。“市場”と言うのはこうやって創り出していくのか、という発見や喜びがあり、夢中になって学びました。その上司がいたからこそ、今の私のマーケティング人生がある、と言い切れるくらいに育ててもらったと思います。

 私は、デルにおいても上司に恵まれています。私を採用してくれた上司は、入社当時、英語がほとんどできない私のために、会議中もメッセンジャーを使って重要な情報を翻訳して伝えてくれました。もちろん、その上司も会議中に発表することがありますので、ずっと甘えていたわけではありませんが、「ここは大事」というポイントを教えてもらえたことは、入社当時の私にとって、本当に有難かったです。その上司は、デルの中でも伝説の上司として知られている人物。私以外にも、育ててもらった人はたくさんいます。

 そんな2人の上司と巡り会えたことが、私のキャリアでとても貴重な財産になっています。