ビデオが一番有効。複数回押さえないと証拠にならない

―― 浮気の証拠として有効なものは、どういったものになるんでしょうか。

 基本的にはホテルへ出入りをする写真と、相手の自宅への出入りの写真。それが不貞の証拠になるんですが、一番重要なのはホテルに出入りするときのビデオの撮影です。裁判などでも言い逃れができませんので。

―― 現場がラブホテルじゃない普通のホテルだったり、時間差で出入りしたりする状況もあると思います。そういう場合はどうするんでしょうか。

 私たちが一番注意して撮影するのは、フロントで鍵を受け取るときに鍵がひとつかどうか、です。これをホテルの中まで入って撮影します。あとはホテルの部屋のドアの出入りですね。そこまで付いていって撮影します。そうでないと、言い逃れできてしまうので。あとは常習性を撮れれば不貞行為と言えます。そこで寝泊まりしたという状況、密室の中にいる状況、そこに何度も行っているという常習性が証拠になります。

 逆に1度だけでは厳しいです。ちょっと具合が悪くなって、などと言い逃れができてしまう。ラブホテルでも自宅でも、1度だと厳しいです。2回なら言い逃れできなくなりますから。自宅の場合は3回、ラブホテルだと2回で証拠となりますね。

タント相談員 証拠を裁判で使うには、「不貞の事実が客観的に否定できない映像や写真」であることが重要です。例えばホテルでの浮気であれば、「何時何分にチェックインしたのか」「2~3時間滞在しているか」「何時何分にチェックアウトしたか」「第三者が確認しても、確実に本人と分かる写真や映像か」「1回ではなく2~3回など継続性が認められるか」などが最低でも必要となります。

―― カメラは普通のカメラなんでしょうか。今はすごく小さな目立たないものも出ていますが。

 もちろん、一眼レフのような大きいものは使わないです。2種類あって、目立たないものと普通の小型のビデオカメラを使います。

タント相談員 暗い場所でもハッキリと顔が分かるような撮影機材や、相手に見つからないための特殊車両などを準備することもあります。

―― 証拠をつかめた場合、その証拠は夫婦間などでどのように使われるのでしょうか。

 通常、相手に証拠は突き付けないんです。保険として、最後の引き出しとして、証拠書類として持っておく。突き出してもケンカになるだけですし、こちらの手の内を全部見せるようなものですから。相手が言い逃れをしたり、離婚などの切り札を出してきたりして、そこから交渉しても相手が認めなかった場合に初めて出すものです。こちらから離縁したい場合も、復縁したい場合も、証拠は出さないです。証拠を出すくらいだったら、ピンポイントの日にちと時間帯とホテルの名前を口頭で言うくらいで十分です。

 探偵事務所に調べてもらった、ということも、基本的には言う必要がないと思っています。“たまたま見かけたんだけど”とか、“〇〇から聞いたんだけど”というくらいでOKです。探偵事務所に調査依頼をかけたということが対象者に知れますと、逆ギレのような状況になりかねません。離婚したくなくても離婚の引き金を引いてしまうかもしれない。証拠を取った後のアフターフォローは重要になってきますね。突き付けたいという気持ちは大きいと思いますが…。慰謝料の請求をかけたのに相手が慰謝料を払わない、そのような事実はないと言い張るような場合には、弁護士を通して証拠書類として出さなければいけなくなってしまいますけれど、普通はそのころには浮気を認めるので。

タント相談員 証拠をつかむ前に、こらえきれずに自分から配偶者を追及してしまう人がたまにいます。でも、相手が警戒してしまったり、無用に揉めたりすることになるので、取れる証拠も取れなくなってしまいます。離婚を念頭に置いている場合は、冷静に戦う準備をしましょう。

―― 男性からの依頼と女性からの依頼はどちらが多いのですか。

 女性からの依頼が6割、男性からが4割ですね。女性からの依頼が昔から多いのですが、最近は女性の浮気を疑って、夫が依頼するというケースも増えています。調査対象としての女性は、専業主婦のほうが多いです。一方、調査依頼は専業主婦、働いている妻、どちらからもあります。でも専業主婦の場合、夫に家計を管理されていたりして、浮気を疑っても何も言えなかったり、離婚したくても踏み出しにくかったりすることが多いです。調査費用も用意できないという人もいます。そういう人は、親や友人から工面をするのですが、親から『そんなことするな』と反対されてしまう場合もあるようです。逆に後押しをしてくれることもありますが。