調査するケースの98%はクロ

―― 調査される対象の人は、“調査されるかな”と警戒しているんでしょうか。それとも気付いていないのでしょうか。

 7割は警戒していますね。何かしら後ろめたいことがあるから、警戒するんだと思います。ですので、逆に言えばシロの人を追うとすごく楽です。何も気にしていないし、何も警戒していないので。追っている最中に、あまりにも警戒していないので“シロだな”と分かることもあります。逆に、警戒している人はクロです。調査日当日に何もしなかったとしても、別の日に何かやるだろう、と。普通に考えれば警戒する必要はないわけですから。

―― 警戒している人としていない人だったら、している人のほうが難しいですか。

 難しいです。臨機応変に追い方を変えていかなきゃいけないですし。一度目が合ってしまうと調査員を変えたりもします。服装を変えたり、帽子をかぶったりメガネをかけたりということもありますね。

―― だいたい調査期間はどれくらいなんでしょうか。調査が長引くケースはありますか。

 浮気調査の証拠というのは、不貞行為の証拠なんです。不貞行為というのは、対象者と第二対象者が接触して、ホテルや自宅に行かなければ証拠は押さえられないです。なので、接触の頻度によって調査期間は変わってきます。1日で証拠を押さえられる人もいますし、1週間の人もいますし、2年かかる人もいます。1カ月に1度しか浮気相手と会わない場合もありますし、出張先で密会する場合もありますから。行動パターンが見えない人がけっこう難しいですね。別居していたり、単身赴任していたりで、その人が何をしているか分からないなど。あとは営業職に就いていて仕事の途中で外出する人や、外出先から直帰する人、これも難しいです。そのような場合は会社で出待ちするのではなく、仕事中に追うこともあります。

タント相談員 浮気の証拠を3回押さえるのに、1週間で終わる場合もあれば、3カ月かかることもあります。たとえ3カ月かかっても、ずっと追跡しているわけではなく、狙いを付けてその中の数日調査することが多いので、費用的にはそう変わりません。

―― 調査金額の平均はどのくらいですか。

 期間によって金額は違います。平均すると30万~100万円くらいでしょうか。4名の調査員の調査で1時間につき、1万6200円で、経費は別途かかります。例えば調査によっては、飛行機に乗ったりすることもあるので。

―― シロであれば証拠はもちろん出ないと思うんですが、調査全体のどのくらいの割合で証拠が押さえられるのでしょうか。

 相談に来られたケースの98パーセントはクロです。残りの2パーセントは相手のことが好き過ぎて、心配して勘ぐって……というようなケースですね。ほぼ必ず、日にちをかければ証拠は押さえられます。