家事をもっと気軽に、家族みんなで参加するものにしていこうと花王「クイックル」が立ち上げた「#みんなの家事プロジェクト」(詳しくは3ページ)。初回は、家庭人としての発信力が一段と増すりゅうちぇるさんに「パートナーと取り組む、今日、そしてこれからの家事のあり方」についてうかがいました。

「完璧」を目指すと義務感で苦しくなる

編集部(以下、──)花王の「パートナー間の『掃除シェア』に関する意識調査」によると、家事参加への意欲は男女ともに70%以上と高く、特に30代では80%超。ただ、意識と実態には差があるようで、現実には「きっちり分担派」が6割以上ですが、7割は「ゆるっとシェアが理想」と答えています。

りゅうちぇるさん(以下、敬称略) 家事参加や分担って言葉がすでに義務感からのものですよね。「やらなくちゃいけないもの」だと家事がつらいものになって、現状に不満がたまってしまうんじゃないかな。

<b>りゅうちぇるさん●1995年、沖縄県生まれ。個性的なファッションと強烈なキャラクターで注目を集め、多数のバラエティ番組に出演。2016年12月にモデル・タレントのぺこさんと結婚。一児の父となった現在は、育児やダイバーシティに関する発信が注目を集めている。</b>
りゅうちぇるさん●1995年、沖縄県生まれ。個性的なファッションと強烈なキャラクターで注目を集め、多数のバラエティ番組に出演。2016年12月にモデル・タレントのぺこさんと結婚。一児の父となった現在は、育児やダイバーシティに関する発信が注目を集めている。

ぼくたち夫婦は家事の分担を決めずに、気づいた方がやるという「ゆるっとシェア」スタイル。お互いが気づき合って、家事もしんどさも分け合っています。完璧を目指すんじゃなくて、「抜きどころ」をすごく意識してます。

「今日はもうクタクタで頑張れない」と思ったら、汚れた食器がたまっていてもスパッと諦めて、「しょうがないよ~」ってお互いいたわり合う。その代わり、洗濯ものは外に干して太陽の光に当てたいとか、食洗機は使わず、食器や子どものお弁当箱は「今日も全部食べてくれたな」って思いながら手で洗いたいとか、ぼくたち2人がこだわりたいところはきちんと手をかけます。

イヤイヤ期をきっかけに完璧主義から脱出

――どのような経緯で今の家事スタイルに?

りゅうちぇる 子どもが生まれてから一度ガラっと完璧主義に変わって。お互いにホコリなんて見たこともない家で育ったこともあって、掃除とか除菌とか神経質なぐらい徹底していました。

でも、イヤイヤ期が始まってからは大変! ご飯は全部ひっくり返すし、飲み物はこぼすし、眠ってほしいときに寝ないし、何一つ予定通りになんていかない。ソファの下には「いつのだ?」っていうおもちゃが突っ込まれてるし(笑)。

とはいえ、これも子どもの脳の発達に必要な過程なんですよね。だからパートナーのぺこりんとイヤイヤ期も見守ることにして、家事についても話し合って。「終わりのない掃除に力を使い果たすくらいなら、肩の力を抜いて臨機応変にやっていこう」と割り切りました。

――家事スタイルの変化で暮らしは変わりましたか。

りゅうちぇる 完璧にやろうとしていたときは、家の中がピリピリしていました。疲れて帰宅して、「あれもたまってる、これもやらなきゃ」って自分を追い込んで、そんな親の余裕のなさや気持ちに、子どもは絶対に気が付いてしまう。だから、夫婦でお互いを甘やかして「できるときにやる」ということにしたら、余裕が生まれたんです。

だから、なにより大事にしているのは夫婦のコミュニケーション。今日変な虫がいたとか(笑)、どうでもいい話題から、仕事場でのできごと、子どもの新しいしぐさまで内容はいろいろ。そのやり取りの中で、子育てや家事の情報をシェアし合うので、足並みも自然とそろってくるんですよね。