テレビや映画に引っ張りだこの個性派俳優で、舞台でも活躍する佐藤二朗さん。6歳の息子や妻とのやり取りをつぶやくツイッターが大人気で、書籍化もされました。そんな佐藤さんが、育児の楽しいエピソードをたっぷり語ってくれます。

息子は僕の映像作品を見たことがない。その理由とは

抱っこを嫌がられるときなんか、子どもの成長を感じますね。ちょっとさみしいですけど…
抱っこを嫌がられるときなんか、子どもの成長を感じますね。ちょっとさみしいですけど…
佐藤二朗
1969年5月7日、愛知県生まれ。1996年、演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げ。全公演で作・出演。近年、多数のTVドラマや映画に出演。主な出演映画は『幼獣マメシバ』シリーズ、『銀魂』シリーズ、『明烏』『真田十勇士』『RANMARU 神の舌を持つ男』など。声の出演に『インサイド・ヘッド』『メアリと魔女の花』『ルイスと不思議の時計』がある。MCを務める『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』が10月20日より放送。

編集部(以下、――) 佐藤さんは息子さんが6才、小学1年生ということで、まさにデュアルファミリーと同世代です。パパが役者という仕事をしていることについて、お子さんはどんなふうに捉えていますか?

佐藤二朗さん(以下、敬称略) 実は、自分が出ている映像作品は見せたことがないんです。刑事ドラマだと、殺人現場のシーンとかで血が出てくるから見せられないし、汚い言葉が出てくる作品も見せたくないですしね。息子は多分、まだ役者という言葉も知らないと思います。

 先日、色々な新番組の出演者が集う生放送の特番に出演したのですが、以前僕が出た医療ドラマのダイジェストが流れたんですね。それを嫁と息子が見ていて、手術のシーンで心臓のアップが映り、嫁は思わず息子の目を隠したそうです。息子は急におとなしくなって、「もう寝る」と。子どもに何を見せて良いか悪いかって、判断するのはなかなか難しいですね。

 だから、僕は吹き替えしたアニメ作品しか見せていない。なので、息子はまだ僕の役者の仕事をよく分かっていないんですよね。この前、初めて僕の舞台を見に来たんですが、ミュージカルだったので、歌ったり踊ったりしていて、本来の僕じゃないんですよ。「どこが一番良かった?」と聞いても、息子は「教えない~」なんて言ってました。後で嫁に聞いたら、他の人のところでウケてたそうです(笑)。

父親が役者であることは特別ではないと教えている

佐藤 役者という仕事については、息子に説明していないですが、家族で旅行したり、買い物したりしているときとかに、ありがたいことですが「握手してください」とか「写真撮ってください」と話しかけられることがあって、息子はそれについては理解しているようです。「また来たよ~」と小声で言ってくるから。なので、「お父さんの仕事は、世の中にたくさんある仕事と全く同じで、そのうちの一つなんだけれども、たまたま人に見られる仕事なので、こういうことが起きるんだよ。全然特別な仕事じゃないからね」と、息子に話しています。