テレビや映画に引っ張りだこの個性派俳優で、舞台でも活躍する佐藤二朗さん。6歳の息子や妻とのやり取りをつぶやくツイッターが大人気で、書籍化もされました。そんな佐藤さんが、育児の楽しいエピソードをたっぷり語ってくれます。
息子は僕の映像作品を見たことがない。その理由とは
編集部(以下、――) 佐藤さんは息子さんが6才、小学1年生ということで、まさにデュアルファミリーと同世代です。パパが役者という仕事をしていることについて、お子さんはどんなふうに捉えていますか?
佐藤二朗さん(以下、敬称略) 実は、自分が出ている映像作品は見せたことがないんです。刑事ドラマだと、殺人現場のシーンとかで血が出てくるから見せられないし、汚い言葉が出てくる作品も見せたくないですしね。息子は多分、まだ役者という言葉も知らないと思います。
先日、色々な新番組の出演者が集う生放送の特番に出演したのですが、以前僕が出た医療ドラマのダイジェストが流れたんですね。それを嫁と息子が見ていて、手術のシーンで心臓のアップが映り、嫁は思わず息子の目を隠したそうです。息子は急におとなしくなって、「もう寝る」と。子どもに何を見せて良いか悪いかって、判断するのはなかなか難しいですね。
だから、僕は吹き替えしたアニメ作品しか見せていない。なので、息子はまだ僕の役者の仕事をよく分かっていないんですよね。この前、初めて僕の舞台を見に来たんですが、ミュージカルだったので、歌ったり踊ったりしていて、本来の僕じゃないんですよ。「どこが一番良かった?」と聞いても、息子は「教えない~」なんて言ってました。後で嫁に聞いたら、他の人のところでウケてたそうです(笑)。
父親が役者であることは特別ではないと教えている
佐藤 役者という仕事については、息子に説明していないですが、家族で旅行したり、買い物したりしているときとかに、ありがたいことですが「握手してください」とか「写真撮ってください」と話しかけられることがあって、息子はそれについては理解しているようです。「また来たよ~」と小声で言ってくるから。なので、「お父さんの仕事は、世の中にたくさんある仕事と全く同じで、そのうちの一つなんだけれども、たまたま人に見られる仕事なので、こういうことが起きるんだよ。全然特別な仕事じゃないからね」と、息子に話しています。