連載「共働き中学受験 基本のキ」でおなじみの中学受験専門のプロ家庭教師・西村則康さんによる日経DUAL読者セミナー「第1回中学受験セミナー コロナで変わる!併願校の選び方/合格に導くための模試の問題用紙・答案用紙活用法」を、9月29日、オンラインで開催しました。その様子をダイジェストでお届けします。前編「併願校選びのポイント 学校説明会で親が見るべきはに引き続き、後編では当日のセミナーで紹介した模試での弱点分析と対策の一部を紹介します。

知識はあるのに得点が取れないのはなぜ?

 6年生は9~12月の間は月に1回、志望校の合格可能性がどのくらいかを測る公開模試を受けます。戻ってきた結果を見て、解けるはずの問題に手をつけていなかったり、答案用紙に答えを写し間違えたりして、悔しい思いをしている親子も多いことでしょう。セミナーでは4人の受験生の模試の問題・答案用紙を西村さんがチェックし、弱点分析と対策をアドバイスしました。

 西村先生はこう話します。

 「まず、算数は理解する力はあるのに、作業面の理由から得点につながらないケースが見られますね。例えばAくんは平面図形や立体図形の基本的な知識はあるのですが、問題に書いてある条件を読み飛ばしていたり、式を書かなかったり、図の中に数字を書かずに解き始めたりする傾向が見られます。きちんと式や図の中に数字を書き出していれば解けたはずの問題なのに、自分の頭の中だけで考えて答えを出そうとしてしまう。同じ傾向はBくんにも見られます。

 問題を読んでいる途中で、『あ、分かった!』と急いで答えを出そうとする。ところが、目の前の計算に集中するあまり、『あれ? 何を解く問題だっけ?』となってしまったり、考えることが先行して、途中で数字が入れ替わってしまったりして、もったいないミスをしてしまうのです」