スマートハウス、HEMSはもっと身近にDUAL家庭を支える存在に

 現在も便利なHEMS、スマートハウスですが、これからさらに開発が進み、よりDUAL家庭にとって身近で便利な存在になりそうです。実は三木さんは現在、家電同士をつなげてそれぞれが連携して家をコントロールしていくという機能を開発しています。

 「エアコンを起動することで人がいる場所を把握し、その室温をキャッチして、キッチンの電気がついたり、コンロをつけたら自動的に換気扇が作動したり。つながる機器が一つ増えるたびに、さらにつながるものが欲しくなるよう、自由に家電を選んでいただきながら、スマートホームというものがどんどん構築されていく。そんな開発をしています」(三木さん)

 スマホとの連携があれば、例えば位置情報から帰宅時間を予測して、室内の温度の調整をしたり、風呂のお湯はりをしたり、冷蔵庫の中身に合わせたレシピの提案をしたり、自動で発注したり。あるいは子どもが朝起きやすいように自然にシャッターを開けたり、エアコンをつけたり……。

 「つながった家電で省エネをしていくのも、我々の研究対象なんです。エアコンを消した、じゃあ照明も消そうといったことを家電同士がするようになれば、省エネにもつながります。これまで人が操作していたリモコンを、家電同士が連携してするようにしたり、HEMSで電気の使い過ぎを制御したり。こうした機能を快適に、我慢することなく使えるようにしながら、省エネにつながるようにしていきたいですね」(三木さん)

 実は、三木さん自身、夫と20歳、18歳の息子と暮らすDUAL家庭。普段どんなふうにエコに気を付けていますか? と聞くと「家族がそろっているときは、あえて、リビングで一緒に過ごすようにしています」と三木さん。

 「実際には、それぞれ家を空けていることも多くなりましたので、家にいるときくらい、一緒に過ごしたいという母心でもあるんですけれど(笑)」

 デュアラーでもある三木さんが携わるからこその技術開発で、「スマートハウス」はますます共働き家庭に、大きな力になりそうです。

三木智子さん。三菱電機に入社後、TV、家電のソフトウエア開発に携わり、現在はスマート機器のシステム開発を手掛けている。三木さんの後ろは京都製作所内にある体感型スマートハウス「三菱ENEDIAハウス京都」
三木智子さん。三菱電機に入社後、TV、家電のソフトウエア開発に携わり、現在はスマート機器のシステム開発を手掛けている。三木さんの後ろは京都製作所内にある体感型スマートハウス「三菱ENEDIAハウス京都」

■三菱電機の環境ステートメント「eco changes(エコチェンジ)」サイトがリニューアル!
 毎日の暮らしをサポートする三菱電機の最新エコテクノロジーの取り組みをご紹介しています。ぜひご覧ください。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/me/eco_changes/

■本記事に登場してもらった、三木さんのコラム「家電とエコテクノロジー」はこちらからご覧いただけます。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/me/eco_changes/ecotechnology/vol2/

(取材・文/日経DUAL 山田真弓 撮影/太田未来子)