家電の使用状況をスマホで一括確認できる

三菱のHEMSはクラウド接続に対応しているので、スマホで「間取りコントローラー」をチェックすれば、機器の運転状況の確認ができる。使用している機器のアイコンは緑色に表示される(画像提供:三菱電機)
三菱のHEMSはクラウド接続に対応しているので、スマホで「間取りコントローラー」をチェックすれば、機器の運転状況の確認ができる。使用している機器のアイコンは緑色に表示される(画像提供:三菱電機)

 では今現在、HEMSを導入したスマートハウスで生活したら、共働き家庭はどのように変わるのでしょうか?

 その一つとして「見守り」があると三木さん。

 「例えば仕事中にお子さんが学校から帰ってきたかどうか心配でも、仕事中に電話をすることができないこともありますよね。その場合、家電を使っているとその様子がスマホで確認できるんです」(三木さん)

 例えば冷蔵庫を開けた、液晶テレビを付けたなど、接続した機器の運転状況がスマホにプッシュ通知されるアプリによって、子どもがどこにいるのかなどが、把握できるといいます。また、そのときに部屋の温度も確認できるので、室温の見守りまでできるのも特徴。子どもは夢中になって何かをしていると室温が下がっていることに気づかずにいたりするもの。それをそっと調整できるのです。またスマホで家電の使用状況(消し忘れなども!)を一括確認できるので、つけっぱなしによるトラブルにも強いわけです。

スマホで温度設定も簡単にできる
スマホで温度設定も簡単にできる

 「もう一つが、『お天気リンク AI』です」(三木さん)

 これは、翌日の天気予報情報と、過去の太陽光発電量データから、AI(人工知能)で翌日の太陽光発電システムの発電量を予測するソフトウエア。この予測を基に、「エコキュート(自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機)」が、翌日分のお湯の沸き上げに太陽光発電電力を使うかどうかを自動で判断し、夜間の沸き上げ運転のタイミングを最適化するといいます。

 「それまでも太陽光発電(PV)とエコキュートの連携は手動ではできていたのですが、今はAIが自動で判断するようになりました」(三木さん)

 さらに、「他の部屋から空気を移す、換気システムも特徴的」(三木さん)です。

 「家の中でも2階と1階で気温差があったり、南と北で温度が違ったり、冬は特に脱衣所と浴室の温度差ができたりする傾向がありますが、そうした際に、換気システムで温かい空気を寒い部屋に移して不要な空調機を動かさないようにできます」(三木さん)

 夏は逆に、あらかじめ設定した帰宅時間に合わせて、換気扇とエアコンを連携コントロールし、室内にこもった熱気を強制的に外に排出します。すると室温が下がった状態から冷房運転をスタートできるので、節電につながりますし、部屋に入った途端に感じるムワッとした熱気が抑えられ、快適というわけです。

 仕事中の子どもの居場所確認が簡単にできて、しかも家に帰ってまずは部屋を温めてから…などと思わずにパパッと動けるようにもなる。毎日4、5分の違いでも、積み重なればかなり大きなメリットになりそうです。

換気システムで無駄なく室温を調整できる(画像提供:三菱電機)
換気システムで無駄なく室温を調整できる(画像提供:三菱電機)