まずは、夫婦で気持ちの整理整頓と共有を

 では、家全体を心地よくするにはどうすれば良いのでしょうか。「自分が本当に『やりたいこと』を見つけて優先順位を付け、互いのやりたいことをパートナーと共有すること。自分が本当にやりたいことをやり、それを尊重し合うこと」(安藤さん)が大切です。そのために安藤さんが採用しているメソッドがあります。それが、下の図です。

 「まずは、日常生活の中で『こうしたいな』と思うことを、1~10までの番号を振りながら箇条書きにしてください。重要なのは『やめたいこと』ではなく『やりたいこと』を書くこと。『眉を整えたい』など小さなことでも構わないし、実現が難しそうなことでも構いません。次に図のような十字を作って、それぞれのやりたいことが、十字のどの位置に入るか考えてみましょう」(安藤さん)。

 このように図式化することで、自分が本当にやりたいことと、それに対する優先順位が見えてきます。「やりたいことが分かったら、まずは『熱望していること×すぐに出来ること』を。次に、『熱望していること×時間やお金が掛かること』を実行できるよう努力します。実現に対するハードルが高いことはその内容を細分化し、その中でも特にハードルの低いものからクリアしていきましょう」(安藤さん)。

 「こうしたい」という思いを、ビジネスの現場で使われるような手法で可視化していく。このやり方なら、普段仕事で忙しいという旦那さんにも違和感なく受け入れられ、お互いの思い描く理想の生活を共有しやすいのではないでしょうか?

スマホをやめて、少しの時間を作ってみる

 「やりたいことを書き出してもらうと、忙しい共働き世帯は、『まとまった休みを取って旅行に行きたい』、『まる1日だけ一人になる時間が欲しい』、『語学を勉強したい』、『読書をする時間が取りたい』、『ゆっくりと夫婦だけで食事がしたい』と、ちょっとした自分だけの時間を必要とする方が多くいます。

 その時間をつくるために安藤さんがおすすめしている方法が「スマホを見るのをやめてみる」こと。通勤時間や休み時間などに、多い人では2時間くらいはスマホに費やしているのが現代のビジネスパーソン。仕事以外のスマホ時間を減らして、その余った時間で語学を勉強したり、瞑想したり。本当にやりたいことや、自分のゆとりを取り戻すことに使ってみませんか?

・ポイント
 自分の時間を作ってなにか新しいことを始める。そのきっかけをつくるのが実は難しいですよね。きっかけづくりとして一番簡単で効果があるのが、誰かに「宣言」をしてしまうこと。お互いのパートナーや子供、最近は「SNS」などを通じてでも構いません。「片づけをする」「語学の勉強をする」と言うように、何かをしようと思ったら、その時すぐに誰かにそのことを話すのです。周囲からの応援も得られやすくなるのでお勧めです。