サッカーや野球などのスポーツを日々頑張っているお子さんたち。家での体調管理はしていますか。栄養や睡眠について気にしているお母さん・お父さんでも、身体のケアとなると自信がない人も多いかもしれません。でも、毎日10分ほどのマッサージをしてあげるだけで、筋肉の疲労を取り、ケガをしにくい身体をつくることができるそうです。どういう効果があり、どのように取り組むのが効果的なのでしょうか。一般社団法人キッズ&ジュニアスポーツコンディショニング協会理事長の巖正美さん、マスターインストラクターの下川路さやかさんに話を聞きました。

筋肉の疲労をそのままにするとケガしやすくなる

 「子どもは好きなことには全力で取り組みます。その分、大人に比べ、ケガのリスクも多くなります」と話す下川路さん。スポーツの現場で発生するケガは大きく分けて2種類あるといいます。一つは「スポーツ外傷」で、1回の外力で起こるケガ。例えば打撲や捻挫などです。もう一つは「スポーツ障害」で、使いすぎ(オーバーユース)によるもの。下腿内側が痛くなるシン・スプリントや、膝が痛くなるオスグッド病などがあります。

 なぜ子どもはケガをしやすいのでしょうか。

 「子どもは骨が柔らかく、小学校高学年から中学生までは、筋肉の成長より骨の成長のほうが早く進みます。成長軟骨に負担がかかりやすいほか、関節可動域が広いため、靭帯などにも負担がかかります」と下川路さんは指摘します。

 スポーツ障害でなく、1回の外力で起こるスポーツ外傷も、筋肉の疲労と深い関係があります。筋肉を激しく使いそのままにしておくと、疲労が蓄積して筋肉が硬くなります。筋肉が硬くなると動きが悪くなって、ふとした瞬間のケガのリスクが高まるのです。また動きが悪くなると、練習の成果が発揮できなくなり、そのせいでやる気が低下する…という悪影響もあります。

 そこでキッズ&ジュニア スポーツコンディショニング協会がすすめるのが、毎日10分からできるマッサージです。

 「プロのアスリートは、練習や試合後など、じっくり時間をかけてコンディショニングのためのマッサージをします。私たちがその経験をある少年スポーツのチームで話すと、『ぜひ子どもたちのためにもマッサージをお願いしたい』という要望を受けました。でも子どもたちのチームに専属のセラピストをつけるのは難しい。一方、私たちがすすめるアロマを使ったコンディショニングマッサージは医療行為ではないので、誰でも行えます。『お母さん、お父さん自身がしてみたらどうですか』ということで、方法を広めることにしました」(巖さん)

お父さん・お母さん向けにコンディショニングマッサージを教えるマスターインストラクターの下川路さやかさん
お父さん・お母さん向けにコンディショニングマッサージを教えるマスターインストラクターの下川路さやかさん