「日経DUAL」の読者にも子どもの不登校に悩む親が増えています。特に多いのが、学校の先生との関わり方です。そこで今回は、引きこもりの子を持つ親の支援に長年関わっている蟇田 薫さん(認定NPO法人育て上げネット若年支援事業部担当部長)に、読者代表の悩みをぶつけてみました。対照的な二つの悩み、蟇田さんによると実は共通することが多いのだそうです。
ほおっておかれている、気にされ過ぎている、どちらにも共通の悩みとは?
こんにちは、蟇田 薫です。まずは、私のもとへ寄せられた、2人のワーママのお悩みを紹介します。
進級した際に新しい担任になりましたが、子どもは会いたくない様子。先生は春に家に1度訪ねてきたきりで、プリントを届けてくれることもありません。プリントがたくさん溜まってくると、取りに来るように連絡が来るだけです。
昨年の担任は、行事の度に「こんなふうに参加してみたら」と提案してくれましたが、今年はほとんど連絡がないので、放置されているようで私は孤独感を覚えています。共働きなので、平日学校に相談に行く時間も取れず、学校の様子が全く分からなくなってきてしまいました。このままだと、学校復帰のきっかけもつかめないので、不安です。(小5男子の母)
「明日の朝、迎えに来るから、保健室だけでも来てみたら」とおっしゃるので、行ってみると保健室に迎えに来て、教室に連れていかれたそうです。そのため、保健室登校もできなくなってしまいました。
家庭訪問のときに面と向かって「明日は来られる?」と聞かれると、娘は「ハイ」と言うのですが、実際は行けることはありません。熱心なのはありがたいのですが、話すたびに親が責められているようにでつらいです。(小4女子の母)
お二人の悩みは真逆のようですが、内容を“因数分解”していくと、「共働きで忙しく、先生とじっくりお話をする時間もなく、先生との距離の取り方に悩んでおられる」という共通点があるようです。また、どちらのお母さんも孤独感を感じています。
では、どうしたらよいのでしょうか。まずはお母さんの孤独感を解消するを考えてみましょう。親が孤独感を感じていると、子どもも動けなくなってしまうからです。
親の孤独感を子どもは自分のせいだと思ってしまう
マザー・テレサの言葉に
The most terrible poverty is loneliness, and the feeling of being unloved.
(最もひどい貧困とは、孤独であること、そして、愛されていないという思いである)
というものがあります。
私は、この言葉を読むたびにひきこもりの子どもたちの苦しさを思い浮かべます。孤独さや独りぼっちの状況は自分が変わっていかない限り解決は難しいものだからです。不登校児のお母さん、お父さんの孤独感もそうです。不登校児の親は孤独になりがちです。わが子が将来どうなってしまうのか不安でいっぱいなのに、それをどこに相談することもできません。
次ページから読める内容
- 「あのとき半日休んでいれば」と後悔しないために
- プリント用に封筒を用意、配慮してほしいことは先生に伝えよう
- 先生に言いにくいことはスクールカウンセラーに言ってもいい
- 行くと言ったのに朝になったら行けない。そんなときも叱らずに
- 不登校中は主体性を伸ばすチャンス
- 「〇〇のせい」にせず、わが子のいいところを見つけてあげよう
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