「思うようにチームのメンバーとコミュニケーションが取れていない……」。そんな悩みを抱いたことはありませんか? チームで仕事をする上で欠かせないのが報連相(報告・連絡・相談)。ですが、堅苦しい会議室やせわしない社内では、なかなか相談はしづらいもの。情報共有すらままならないという読者の声も届きます。そこで今回は、「日経ウーマンオンライン」とチームをまとめるリーダーとして働く読者も多い「日経DUAL」との共同企画として、「報告・相談・共有」に関するコツを業務改善のプロ 沢渡あまねさんに聞きました。沢渡さんによると、意外な方法でコミュニケーションがスムーズになったり、身近なアイテムが情報共有を円滑にしてくれたりするそう。リーダーも、そして現場の若手社員もすぐに取り入れられる方法を「7つのコツ」にまとめてご紹介します。

【日経ウーマンオンライン×日経DUAL 共同企画】

(1) ヌケ・モレが減る︕ 「共有」が上⼿な読者⼯夫とは(日経ウーマンオンライン無料会員限定)
(2) チームが育つ今ドキの「報告・相談・共有」方法7つ(日経DUAL有料会員限定) ←【今回はココ】
(3) LINE、FBグループ駆使した共有術で商品企画数が2倍に(日経ウーマンオンライン無料会員限定)
(4) 在宅・テレワーク…多様な働き⽅を実践する企業の共有術(日経DUAL有料会員限定)
(5) 「報告・相談・共有」はスケジュール化してヌケ・モレ防⽌(日経ウーマンオンライン無料会員限定)

なぜ、私たちはうまく「報告・相談・共有」できないのか

 「報連相が大切だ」と多くの方が教わったかもしれません。ですが、チームで仕事を進める上では、「共有」こそ大事だと感じることはありませんか? まずは、職場の現状を振り返ってみましょう。数々の大手企業でコミュニケーション改善の講演やファシリテーションを行っている沢渡さんによると、問題を抱えている企業には「妖怪モヤモヤ」、「妖怪ジョーシキ」という2匹の妖怪がいて、業務の邪魔をしているとのこと。この2匹が生産性アップを妨げる大きな原因になっているそうです。

【妖怪「モヤモヤ」の悪だくみの一例】

 ●「スケジュールが分からない」モヤモヤ

 相談したいときに限って上司が席にいない。閑散期や繁忙期など、チーム単位の大まかなスケジュールが不透明で予定を立てにくい。

 ●「目的が不明瞭」なモヤモヤ

 仕事を与えられたけれど、なぜ上司が自分にその仕事を任せたのか分からない。思い切って部下に大きな仕事を任せたのに、部下は目的意識がなく適当に仕事を片付けているように見える。

 ●「進捗状況の報告がない」モヤモヤ

 部下が進捗状況を報告せず、いつまでに業務が完了するのか分からない。

 ●「未来が見えない」モヤモヤ

 上司が自分に何を期待しているのか分からない。業務に力を注いでもメリットを感じられず、成長できない気がして不安。

 ●「情報が少ない」モヤモヤ

 業務を引き継いだものの、必要な情報がまとめられていないため毎回誰かに聞かないと処理できない。

【妖怪「ジョーシキ」の悪だくみの一例】

 ●「大事なことは対面で言うべき」という思い込み

 重要な案件の内容は、相手に直接話さないといけない。チャットツールのほうが話しやすい人や、言葉を選んでうまく伝えられる人もいるのに口頭で相談するべきだと主張する。

 ●「営業チームはテレアポを取らないといけない」という思い込み

 テレアポの数をこなすことで人は成長する。はやりのイベントやブログで自社商品をPRするだけでは売れないため、新人時代はテレアポに徹するよう指導する。

 一部の企業では、「妖怪モヤモヤ」と「妖怪ジョーシキ」がオフィスに居座り、結果的にムダな推量やフラストレーションが生まれています。一体どうすれば改善できるのでしょうか? 業務改善士として数多くの現場を見てきた沢渡あまねさんに、実践しやすい具体的な解決策を聞いてみました。

(あ)「あいさつのない、残念職場」、(も)「目的が見えない、分からない」――。こんなこと、ありませんか? 解決策は…? 『職場の問題かるた』(技術評論社刊 作/沢渡あまね イラスト/白井匠 CV/戸松遥)
(あ)「あいさつのない、残念職場」、(も)「目的が見えない、分からない」――。こんなこと、ありませんか? 解決策は…? 『職場の問題かるた』(技術評論社刊 作/沢渡あまね イラスト/白井匠 CV/戸松遥)
<次のページからの内容>
● コミュニケーションが円滑に 心地よい職場へのカギは「自己開示」
● 「共通のゴール」共有でバラバラのチームが一つになれる
● 会話の「きっかけ」をつくるカジュアルな雰囲気づくりも重要
● 「わざわざ」を「ついでに」変えるだけで 脱・ムダ会議!
● 付箋、ホワイトボード… 職場に合ったツールの見つけ方
● 問題は「見える化」すれば効率よく解決できる その方法は?
● 新ルールの導入は「お試し1カ月」から 成功の秘訣