小学校の授業でPowerPoint。Microsoft Officeは当たり前

── Microsoft Officeはいつ頃から使っていましたか?

河端 もともとパソコンに入っていたこともあり、小学生の頃からWord、Excelを使っていました。小学校の情報室の授業では、PowerPointを使うときもありました。いまから20年くらい前のことなので、2000年頃です。普通の公立小学校だったのですが、とくに新しいこと、難しいことをやっているという意識はなく、当たり前に感じていました。日頃からMicrosoft Officeを使っていたからかもしれません。

 自分のホームページの管理もはじめはテキストエディタを使っていたのですが、Excelを使った方が便利だと友達から教えてもらい、Excelを使うようになりました。明らかに効率があがりましたね。子どもの頃からMicrosoft Officeに慣れていたので、大学やビジネスで使うようになっても困りませんでした。

価値観の幅が広がり、新しいことにチャレンジできるようになった

── 子どものころからパソコンに親しんだことが、いまの自分にどう役立っていると思いますか?

河端 価値観が広くなったと思います。普通の小学生は、全学年の40パーセントくらいの人としか会話しないじゃないですか。さらに、公立なら公立っぽい人、かつ同じ地域の人が集まるので、同じような価値観を持っていることが多いと思います。

 かたや、地方で学校の人数も少ない小学生とは、価値観がまったく違います。インターネットを通してたくさんの人と交流することで、価値観の幅が広がりました。

── 子どものころからパソコンを使っていなければ、起業していなかったと思いますか?

河端 その可能性はあります。中学、高校生の頃は、父親から「将来食いっぱぐれない仕事をしろ」とずっと言われていました。「未来を考えたときに、どう考えても多くのものがロボットに変わっていく。ロボットを作ることができる人になったら、飯は食える」と父親に言われていたんです。衰退しているものではなく、これから可能性があるものに進め、と。

 小さい頃から図工が好きで、ものづくりが好きだったこともあり、技術者に強くて、ロボットの研究が進んでいる大学を選択しようと思い、国立大学の電気通信大学に進学しました。

 大学院で研究を続ける傍ら、IT系の会社のインターンに参加していろいろな企業を見ていくうちに、自分も起業しようと思ったんです。同じ大学の同期でも、僕以外に起業した人はほとんどいなかったので、就職課の人に心配されました(笑)。

 起業して最初の2年間は基本的に開発の案件を受けていました。けれど、ある先輩経営者の話を聞いて自社サービスを運営しようと思い、開発の仕事を辞めることを決意。社員はすでに30人ほどいたのですが、僕と共同代表COOの高原とインターンの3人になり、新たに企業とエンジニアが直接つながる、エンジニアに特化した採用支援のサービスを開始することにしました。

 その後も、“全てのHR領域をテクノロジーで変える”という想いで、新たなサービスを立ち上げてきました。社会の常識・通例を常に疑い、非合理な常識を破壊し、新しい価値を創造する組織であり続けることを目指しています。

 こうした考えを持つようになったのは、小学生のときからパソコンを使っていたという原体験が大きいです。当時は、大人でもあまりパソコンを使って何かをしている人は少なく、パソコンを使っているのはいわゆるオタク気質な人だけの世界。子どもながら、「人と違ったことをしている」というのが、僕の正義でした。だから、みんなが右に行くというときに、本当に右でいいのかと疑い、むしろ左に行く方がかっこいい、と思っていた(笑)。

 だから、人と違うことをすることに対するハードルはめちゃくちゃ低く、新しいことにどんどんチャレンジできるようになったと思います。

小学生の頃からパソコンを使っていたことが「人と違ったことをしている」という自信になり、大学院在学中に起業するときも1歩踏み出せたそう
小学生の頃からパソコンを使っていたことが「人と違ったことをしている」という自信になり、大学院在学中に起業するときも1歩踏み出せたそう

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