大切にしたいのは「自分で考え、選び、試してみる」こと

 今回子どもたちが体験した2つのプログラミング教材に共通していたのは、うまく行かなくてもすぐにやり直せる点です。KOOV開発者で、世界の最先端の教育事情にも詳しい礒津さんは、その狙いについてこのように話します。「子どもたちがこれから生きていく世界がどのように変わっていくかは、だれにも予測不能です。そんな未来を切り開いていかなければならない彼らにとって『上手に失敗する力』は生きる力となるでしょう」

 「世界の最先端では既に、『失敗も個性』ととらえる教育が行われています。課題に対しての『正解』は一つではなく、答えはいくつもあります。しかも、ある仮説が正解かどうかは、やってみないと分からない。もし違っていたら、またやり直せばよいのです。それに、そこでは、今の日本の学校で『注意散漫でミスが多い』とされるような子どもも、『色々なところに関心が向く』個性なのだと評価される。トライアンドエラーが許され、多様性が認められる世界なのです。未来を生きる子どもたちに必要なのはそんな教育だと思います」。

 失敗してもくじけずに、新たなアイデアを生み出す。その力があれば、前に進むことができます。その力を育むのがソニーがこのイベントに込めた3つの思い「STEAM教育を通じて、これからの時代を生きる子どもたちに必要な思考力、創造力を育んでほしい」、「未来を創る子どもたちには、ワクワクしながら学んでほしい」、「自分で考え、選び、試してみる子どもに育ってほしい」。

 今回のワークショップにも、子どもたちがワクワクしながら学び、それぞれの個性を発揮できるクリエイティブな経験が詰まっていました。楽しみながら学ぶ体験。それこそが、ソニーのプログラミング教育で得られる一番の収穫なのかもしれません。

 KOOVやMESHはすでに様々な教育現場で採用されています。目を輝かせながら学ぶ子どもたちの様子を見学し、ソニーの考える教育のカタチには、単にプログラミングを学ぶということだけではない、これからを生きる子どもへの思いが込められていることを実感しました。

(取材・文/福本千秋 撮影/木村輝)

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