MESHのプログラミングで身近なIoT体験
子どもたちが次に体験した教材はIoTプログラミングキットMESHです。ホールに登場したのはソニー株式会社の萩原丈博さん。MESHを開発した、だれよりもMESHに詳しいMESHマスターです。萩原さんは子どもたちに話しかけます。「君たちは三匹目のこぶたでしたね。想像してください。オオカミがすぐ近くに来ています!身近にある道具でオオカミを何とかしないといけない。さあどうしますか?」。
そこで萩原さんは手にした箱をの蓋を開けました。すると「開けないで~」とどこからか声が。
「????」と不思議そうな子どもたち。萩原さんは「これがMESHを使った道具です。実は箱の中には明るさセンサーが入っていて、蓋を開けると、センサーが明るさを感じて、スピーカーが再生し『開けないで―』という声が出る仕組みなのです」と種明かし。
びっくり箱のような仕掛けに、子どもたち興味津々。さっそく、テーブル上に配布されたメッシュのブロックとタブレットのアプリで「ボタンを押すと、LEDが光る」というプログラムを作ってみます。LEDの光る回数や色も設定できることができ、各テーブルからは「わぁ!」という楽しそうな声が上がります。
「MESHはこんなふうに、モノとコトを組み合わせられます。皆のテーブルには、ゴミ箱やうちわ、傘、メガホンなどを配りました。MESHを使って、これらをオオカミに対抗できる道具にしてみてください」と萩原さん。
子どもたちはMESHのブロックを手に、あれこれディスカッションしながら道具を作っていきます。オオカミと仲良くしたいというグループでは、「お肉いかがですかー?」という声を自分たちで録音して、メガホンを振ると声が出る仕組みを作っています。他にも、ゴミ箱のふたを動かすとLEDが点滅したり、傘を開くと音が鳴ったりと、ユニークなアイデアが続出。
その様子に萩原さんはこう話します。「先に考えをまとめてから作ろう、というと手が止まってしまう子が多いんです。それよりも手を動かしながら考えるほうが、どんどんアイデアが進みます。これは実は大人でも同じです。頭の中で考えたことを、実際に作ってみると想像と違うことが出てくることがありますね。すると、そこから新しい発想が生まれ、更にアイデアが湧いてくるからです。手と頭を同時に動かすことで、思考がものすごいスピードでループしながら回っていくのでしょう」。
MESHのブロックは両面テープでメガホンやうちわ、傘などに取り付けることができます。子どもたちはまるで工作でもしているかのように、ペタペタとブロックを張り付けていきます。実はこれも萩原さんの狙ったところだそう。「MESHを開発するときにイメージしたのは、大人も子どもも使える文房具のような道具にしたいということです。ハサミや糊、ペンはそれと使って、考えを形にしていきますが、MESHも同じようにアイデアを形にする道具として誰にでも使われるようになってほしいと思っています」。