子どもの夜泣きや寝かしつけに悩むママ・パパは多いが、「子どもの睡眠はコントロールできる」と話すのは、日本人で初めて米国IMPI公認の乳幼児睡眠コンサルタントの資格を取得した、愛波文(あいば・あや)さん。子どもの睡眠に関する研究の進んでいる米国で、多くの文献にあたって勉強し、まず「睡眠の土台」を整えたうえで、日本人でも取り入れやすい方法として「フェイドアウトメソッド」「タイムメソッド」などのトレーニングをすることを提案している。寝かしつけ不要で、朝までぐっすり寝てくれて、親もしっかり睡眠が取れる。親に余裕が生まれ、子どもとの関係性が良好になる。そんな夢のような環境を手に入れるには、どうしたら良いのだろうか? お話を伺った。

「乳幼児の睡眠をコントロールする」という発想に、目から鱗

 愛波さんが乳幼児の睡眠をコントロールすることに興味を持ったのは、ご自身が子育てで苦労をしたことがきっかけだった。

 「現在6歳になる長男が、寝ない子だったんです。出産するまでは、『赤ちゃんは放っておいても寝るもの』と思っていたのですが、全然違いました。抱っこじゃないとダメ、抱っこでもダメ。夫の仕事の都合でアメリカにおり、夫は出張で不在がち。周囲に頼れる人もおらず、孤独な子育て環境でした。『このままじゃおかしくなる』と思い、気分転換を兼ねて、同じ月齢の子どもを抱えるママの会に出席しました。すると周囲のママたちは、夜ジムで体を動かしたり、友人とご飯を食べたり、適度に息抜きをしながら、とっても生き生きと子育てしていたのです。『どうしてそんなことができるの?』と尋ねたところ、一冊の本をもらいました。それが、乳幼児の睡眠コントロールに関するものだったんです」

 貪るようにその本を読み、さらに関連する本を15冊ほど読み込み、できることから実践していった。長男が10カ月のときねんねトレーニングを開始したところ、たった4日で、ベビーベッドに置いただけで、1人で寝るようになったという。長男の日中の機嫌も良くなり、愛波さん自身も睡眠が取れて余裕ができ、子育てが楽しくなったそうだ。

 そこから本格的に勉強を始め、1年ほどかけてオンラインで資格を取った。今では、睡眠トラブルに悩む親御さんのコンサルテーションを手掛けながら、コンサルタントを養成する立場としても活動している。アメリカは日本に比べ、乳幼児の睡眠に関する著書や研究が多く、改善するための手法も実に様々だ。それぞれ科学的根拠に基づいているものの、日本の子育て観や住宅事情を鑑みると、マッチするものとしないものがある。数ある手法の中から、愛波さんは日本人の生活スタイルに合わせた解決方法を紹介している。