三嶋 ありがとうございます。「炎舞炊き」は、白米だけでも「もちもち」から「しゃっきり」まで5通りの炊き分けができるのですが、まずは「ふつう」炊きを召し上がっていただきました。

山下 ウチは全員ごはん党で、夫は夕飯に大ぶりのお茶碗で2杯は必ず食べます。ごはんはおかずと一緒に食べるものと思っていたけれど、これならごはんが食事の“主役”になりますね。

IHヒーターを3つに分け、かまどの炎の“ゆらぎ”を再現

久保田 わが家は象印さんの2年ほど前の最上位モデルを使っていて家族で気に入っています。でも、これはもっと美味しい。どこが変わったのですか?

三嶋 他のメーカーさんや象印の従来品とも視点をガラリと変えて開発しました。数年来、どのメーカーも「内釜」に注力してきました。「極め羽釜」も釜に重きを置いた製品です。しかしもう内釜は行きつくところまで行ったと考え「これ以上の進化は厳しい」と悩みました。そこで、炊飯の原点に戻って考えようと、かまどが残る奈良県立民族博物館に通わせていただき、かまどでの炊飯を研究し、炎のゆらぎに目を付けたんです。

菅原 かまどの炎の特徴を炊飯器に? どうやって取り入れたんでしょうか。

三嶋 美味しいごはんを炊くためには強い火力が重要なのですが、底を覆うように大きく円を描くIHヒーターひとつでは、一粒一粒に伝わる熱に限界がありました。そこで、「炎舞炊き」では半径の小さな3つの円形IHヒーターに分け、各々を独立制御し、加熱をローテーションさせながら強い火力を入れられるように開発しました。今まで全体にかけていた火力を、部分的に集中加熱したことで生じる温度差から、内釜のお米に複雑な対流を起こす方法です。これでお米一粒一粒にむらなく強い熱が伝わる。炎が舞うように釜に熱を加えるイメージです。

IHヒーターを3つに分け
激しく複雑な対流を起こす

従来は1つの底IHヒーターだったが、『炎舞炊き』では3つの底IHヒーターを搭載し、各々を制御している。このため、下の図のようにより激しく複雑な対流を起こし、これまで以上に炊きムラを抑えて一段と美味しく炊き上げることに成功した。

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