経団連初の女性役員として注目され、元BTジャパン社長、そしてW20運営委員会共同代表などで活躍していた吉田晴乃さんが6月30日に心不全で亡くなった。亡くなる前日(6月29日)には「G20大阪サミット 女性のエンパワーメントに関する首脳特別イベント」に参加し、記者たちの前で渾身の演説をしていた。女性の活躍が世界経済の成長に寄与すると人生を通して訴えてきた、彼女の最後のメッセージを全文でお伝えする。

故・吉田晴乃さん(2018年6月 撮影/大槻純一)

G20大阪サミット「女性のエンパワーメントに関する首脳特別イベント」における演説全文

 どうもありがとうございます、みなさまお集まり頂きましてありがとうございます。私、日本語をしゃべらないと日本人に見えないものですから(会場笑い)、日本語で話させて頂きます。

死去の前日、G20大阪サミットにて、W20共同代表として安倍首相に提言書を渡す吉田晴乃さん(写真右/撮影は日経ARIA編集部)

 ここのところ、G20もご存じのように課題山積でございます。安全保障の問題から、トレード・ウォーの問題、そして環境問題までと、なかなかジェンダーの問題までみなさんのお時間と労力がいかないのではないかと心配しておりましたけれども、本日マキシマ王妃(オランダ王妃・国連特使)とイバンカ米大統領補佐官のリーダーシップのもと、ガッとアテンションを引きつけることができたのではないかと思いまして、ホッといたしております。

 私も、今回は議長国としてリードさせて頂きました。ここまでのアクティビティ、世界の注目を浴びるようなイニシアティビティを育てることができましたのも、ここにいらっしゃる国際機関の皆さまのサポートがなければできなかったことです。

 特にOECDの皆さま、UN Womenの皆さまももちろん、金融のアクセスという意味ではワールドバンクの皆さま、IMFの皆さま、それからポリシーメイキングということでもみなさまと非常にクロスにお仕事をさせて頂いております。

私たちは23億人の女性を代表している

 ウィメン20(W20)とは、20カ国といっても私たち23億人の女性を代表しているんですね。本当に大きな、世界最大のオフィシャルエンゲージメント、女性たちの組織と言っても遜色ないと思っております。その議長国をこの日本が務めるというので、今年は目黒依子先生(W20共同代表、上智大学名誉教授)とも本当に緊張した日々を皆さんと過ごして、無事、3月に安倍総理に提言書を納めるまでになりました。

 この中で安倍総理に感謝申し上げましたのは、やはり私たちはこの5年間、6年間のウーマノミクスの下積みというものが無ければ、こんなに大きなお仕事を引き受けることはできなかっただろうというふうに思っています。ウーマノミクスをやってみて実感して思ったこと。それは女性のエンパワーメント、本会議でも経済成長ということが盛んに語られましたけれども、まさにそれを実体験したのが日本だと思っています。

 この経験をもとに、3つのポイントを、皆さまと共有できるかなと思っております。