子どもにブルーライトの知識や正しいメガネを与えていますか?

 社会は、環境の変化や日々更新される医学的研究データ、正しい知見にアンテナを張り、子どもの健康を守る手段を迅速にアップデートさせていくべき。こう考えるのは、メガネブランドJINSの田中仁氏。デジタルネイティブ世代であり、今以上に長い人生を謳歌するであろう子どもたちの、目にかかわる健康維持方法の検討は急務だと話す。確かに、子どもの一生のパフォーマンスと幸福度にも影響しそうだ。

田中 仁(たなか・ひとし)●ジンズホールディングス代表取締役CEO・一般財団法人田中仁財団代表理事。1963年、群馬県生まれ。88年ジェイアイエヌ(現ジンズホールディングス)を設立し、2001年からアイウエア事業「JINS」を開始。14年には故郷の地域活性化支援を目的に「田中仁財団」設立。起業家支援プロジェクト「群馬イノベーションアワード」と「群馬イノベーションスクール」をスタート。現在は、前橋市中心街の活性化にも携わる。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科 修士課程修了
田中 仁(たなか・ひとし)●ジンズホールディングス代表取締役CEO・一般財団法人田中仁財団代表理事。1963年、群馬県生まれ。88年ジェイアイエヌ(現ジンズホールディングス)を設立し、2001年からアイウエア事業「JINS」を開始。14年には故郷の地域活性化支援を目的に「田中仁財団」設立。起業家支援プロジェクト「群馬イノベーションアワード」と「群馬イノベーションスクール」をスタート。現在は、前橋市中心街の活性化にも携わる。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科 修士課程修了

 「いま50代後半の私は、20代まで夏は思い切り肌を焼くのがファッションでした。1990年代には紫外線(UV)に関する知識が広まり、今や年齢性別を問わずUV対策が常識と化した。こういった意識改革が、子どもたちの目に関しても必要になってきています」

 JINSはデザイン性が高くリーズナブルなメガネで知られるが、2011年より順次ブルーライトカット、バイオレットライト透過、保湿対策等の機能レンズやメガネの開発に注力してきた。子どもの生活にこのような機能をどう取り入れ、生かしていくかの判断を家庭ごとの情報収集力に委ねられているのが現状だ。

➡ブルーライト・バイオレットライト・集中力・花粉など、対象に特化した【JINSメガネ図鑑】は4ページ


「食後に歯を磨くように、メガネをかける・かけかえる」習慣が理想

 ブルーライトに関しては、夕方以降の時間帯や室内でPCやスマホを利用する際、ブルーライトをカットできるメガネを利用するのが、最も手軽な方法のひとつだ。しかしその前に、子どもたちとともにメガネの正しい使い方を知る工夫が必要だろう。

 まずは大人がブルーライトの特性、スマホやPCとの付き合い方を正しく理解した上で、子どもの年齢に合った言葉で説明したい。理由をきちんと伝え、親子一緒に、デジタルツールを使う学習やゲーム時間のバランス、ブルーライト対策用のメガネの準備などで、よりよい環境を維持していきたい。

屋外で遊ぶ時間は存分に太陽光を浴び、いざPCで学習を始める瞬間に自然とお気に入りのメガネをかける。スマホでゲーム遊びをする際もしかり。食後や就寝前に歯を磨かないと気持ちが悪いように、オン・オフ習慣をメガネで身につけてあげるのが理想的だと思います

近視用メガネも、ブルーライト対策あり・なしの2本をTPOでスイッチ

 既に近視用などのメガネを利用している子どもは? 視力矯正用メガネを2本用意し、1本は普段使いに。もう1本はブルーライトをカットできるレンズにし、TPOで付け替えられるような環境を整えてあげたい。PC・スマホ用は、ブルーライト対策を意識できるように青いフレームにしたり、勉強時間のモチベーションアップにキャラクター柄にしたりする、そんな楽しい演出も大切だろう。

 子どもが野外で遊ぶ時間は減少傾向にあるといわれている。太陽光に豊富に含まれ、目に必要といわれるバイオレットライト(VL)の透過機能をレンズに加えるという選択も魅力だ。可能な限りストレスレスに、子ども自身でベストな環境をコントロールできる方法を探そう