産後の子育ては男女問わずしていくもの。だから、男性が着られるものを

 DUAL家庭にとって朗報なのが、今回発売された「MTY ピッカパックレインコート」が、ユニセックスということ。妊娠中はママが使っていても、産後の抱っこやおんぶはパパもするので、できれば共用したいところです。

 「もともと、マタニティウエアのラインを立ち上げるときから、ユニセックスにしたいと考えていたんです」と矢野さん。妊娠、出産、授乳までは、女性しか体験できないことですが、産後の子育ては男女問わずしていくもの。だから、男性が着られるものを作りたいと考えていたと矢野さんは言います。

 「ただ、ユニセックスはマタニティがある程度定着してからとも思っていました」。このため、昨シーズンの「Maternity Rain Coat(マタニティレインコート)」と同時期からMTYピッカパックレインコートの開発にも着手。マタニティレインコートは抱っこ紐仕様で、コートフロントファスナーにベビーポンチョを連結する形で、子どもが歩けるようになったら、ママと子どもでお揃いのレインコートとして長く着られるという仕様でした。

「マタニティレインコート」は妊娠中も産後も赤ちゃん(子ども)と一緒に着用できる、レインコートとベビーポンチョのセットアイテム
「マタニティレインコート」は妊娠中も産後も赤ちゃん(子ども)と一緒に着用できる、レインコートとベビーポンチョのセットアイテム

 「ユニセックスはあとからと考えたこともありますが、MTYピッカパックレインコートはおんぶでも使えるようにするため、開発に時間がかかりました。レインコートの構造として、“穴”を開けることはアウトドア製品としては望ましくないという意見がありましたが、子どもの様子を確認できるようにするには、顔が出せて、なおかつ水が入りにくく通気性が確保できる構造を開発する必要がありました」

 結果、軽量で触り心地が柔らかい素材を使った着心地の良いレインコートになったそう。「おんぶして子どもにフードをかぶせれば雨が入ることがないことは、実験からもわかっています。キャンプや梅雨時期の日常にぴったりですし、春夏シーズンで気温が上がってきたら、フードを取り外すことも可能です」

 傘を差さなくても、子どもが濡れる心配をせずに、キャンプでテントを立てたり、通園時の負担を軽減できます。子どもにかぶせる部分のフードがクリアウインドウになっているカバー形状は同社としても初めてのデザインで、「キャンプ場で雨の土砂降りの中で着用して立ってみたり、社内で子どもが小さい社員に着用してもらったりしてテストしましたが、子どもの様子もわかりますし、もちろん濡れませんし、安心して使えると自信を持ちました」。

素材は、肌触りが良いビーズ加工を施した2.5層の防水・透湿性素材 HYVENT(R)Clear-Dを採用しているそう
素材は、肌触りが良いビーズ加工を施した2.5層の防水・透湿性素材 HYVENT(R)Clear-Dを採用しているそう