見逃せない子どものリスク。無自覚課金も

 キャッシュレス決済の進化によって、最近は後払いサービスなども登場し、急激にシェアを伸ばしています。「ですが、その分お金を使いすぎてしまう可能性があり、特に若年層のオンラインショッピングトラブルが深刻化しています」と高橋さんは注意を促します。

 「家族のECサイトIDで買い物したり、無料なのか有料なのかわからないままオンラインゲームで100万円近く課金をしてしまったケースもあり、保護者は本気の対策を迫られています」

 家族の利用はカード会社での不正使用の補償対象にはならないため、スクリーンタイムなどを活用してきちんと子どものスマホを管理し、課金できない設定にしておく、後払いサービスは利用不可にする、親の買い物後は必ずログアウトしておくなど、保護者も仕組みを理解し、事前にトラブルを防ぐ手立てをとるべきだと高橋さん。万が一の課金にすぐ気づくことも大切だそう

 「親子の話し合いとルールが必要です。月の上限額を親子で決めて、毎月一緒に振り返りを行うなどして、自分の使い方をコントロールできるように導いていきましょう」

 今後、保護者からは私生活が把握しにくくなる大学生になった時などには、使いすぎ防止に賢く「家族カード」を活用するのも手です。家族カードは同一家計から決済でき、各自の買い物のポイントを合算できるなどメリットも多いのですが、その分子どもの思わぬ買い物トラブルを招く恐れも。そんな時に利用したいのが、アメリカン・エキスプレスが独自に提供する限度額の事前設定機能。本会員が家族カードの限度額を自由に設定できるので使いすぎの心配もなく、子どもに仕送りがわりに家族カードを渡す場合も便利でしょう。初めての一人暮らしや留学といった親の目の届かない状況でも、しっかりと子どもと家族を使いすぎトラブルから守ってくれます。

夏休み前に親子でルールを決めよう

 「子どもにはぜひ個人情報の重要性を、親が繰り返し教えていきましょう。ID・パスワードを気軽に他人に教えてしまったり、初歩的なことを知らないままスマホを使っている子どもも多いのです。特に夏休みは学校と保護者の目が行き届きにくくなります。オンラインゲームの時間も増えますし、課金トラブルから、最悪の場合は事件にまで発展してしまうこともあるのです」と高橋さん。

 学校で少しずつICT教育がされてきているとはいえ、日常でオンラインサービスを使う際の注意点について親子のルールをしっかり確認しておきましょう。

 トラブルに巻き込まれず、お金を使いすぎず、けれど、時代に合わせて上手にネットでの買い物などを楽しむコツを高橋さんに聞きました。

 「これまで現地でしか味わえなかった地方の名産品が通販対応を開始するなど、上手に使えばネット通販で生活はより豊かになります。そのために、決済手段選びはとても重要です。ポイント還元などだけでなく、いざという時のための補償や対応サポートなどを見比べて、安心して利用できるクレジットカードを選ぶこと。そのうえで親子でスマホ、オンラインショッピング、クレジットカードの使い方について確認し、学びを重ねていけば、トラブルは未然に防げるようになるはずです」

取材・文/西山美紀 構成/横濱啓子(remix-inc.)

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高橋暁子さん
ITジャーナリスト。成蹊大学客員教授
高橋暁子さん SNSや情報リテラシー教育が専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育事情に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『できるゼロからはじめるLINE超入門 iPhone&Android対応』(インプレス)など著作は20冊以上であり、NHK『クローズアップ現代+』『あさイチ』などメディア出演も多い。令和2年「青少年を取り巻く有害環境対策の推進」技術審査委員会技術審査専門員。令和3年度教育出版中学校国語の教科書にコラム掲載。全国の小中高校大学、自治体、団体、企業などを対象に毎年 50回ほどの講演・セミナーを行っている。