一人で抱え込まないためにも電話相談を
一方で、「児童虐待がいけないことだと分かっていても、イライラして子どもにあたってしまう」と思う親が駆け込める場所はあるのでしょうか? 「つい手を上げてしまう……」「児童虐待を受けている」「児童虐待を通告したい」という人がどこに連絡をすればいいのか、以下に“駆け込み寺”をまとめました。
地域の保健所・保健センター | 各市区町村の保健所・保健センターへ |
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要保護児童対策地域協議会 | 各市区町村の要保護児童対策地域協議会 |
児童相談所 | 児童相談所・全国共通ダイヤル(電話)189 |
NPO法人 チャイルドファーストジャパン 「虐待相談かながわ」 |
(電話)0463-90-2260 |
社会福祉法人 子どもの虐待防止センター |
(電話)03-5300-2990 |
警察 | 各地域の警察へ |
(松田さんのお話を基に作成)
まず誰かに話すことで楽になってほしい
電話する場合、何をどう話せばいいのでしょうか?
「『(この子は)ひょっとして虐待を受けているのではないのかな』と思ったときは、ご自分が見聞きしたことを話してください。つい自分自身が子どもに手を上げてしまう…といった相談の場合は、とにかく電話の向こうの人に話したいことを吐き出していただいて大丈夫です」
「自分が子どもを虐待している・してしまいそう」という人からの悩みを受ける場合、松田さんが所属する「子どもの虐待防止センター」などの各種団体では「傾聴」のスタンスでとにかく相手の話を聞くことに徹しています。
「誰かに向かって悩みを話すだけでも、随分、楽になるのです。電話で相談するメリットは、一回性(コミュニケーションを継続する必要がない)、匿名性(名乗らなくていい)、掛けたいときに掛けられ、切りたいときに切れるということ。これを活用してほしいと思います」
「私一人がどうしてこんなにつらいの?」
「どうして育児がうまくいかないのだろう」…。
親であれば誰もが直面する可能性があるこういった悩みも、誰かに打ち明けることができれば状況は変わります。つい自分一人で解決しようと頑張ってしまいそうですが、身近な誰か、それが見つからなければ受話器の向こうにいる誰かに話してみることは、自分自身が苦しみから逃れる第一歩かもしれません。
(構成/日経DUAL編集部 イメージ写真/鈴木愛子)
1ページ目の「泣き声通告」に関する記述に誤解を招きかねない内容があったため、削除し修正いたしました。(2018年6月20日)