第2波、第3波に向けて考えておきたいこと

――今後も、新型コロナウイルスの第2波、第3波がくることも予想されます。家庭での学習サポートなどは今後、どういう方法をとっていこうと思っていますか?

Sさん 今回のように、通常のカリキュラムをそのまま課題にするのは無理があると思います。それよりは、休校中だからこそできることに目を向けられるといいですよね。例えば、子どもたちの「考える力を育てる」といった課題でもいいかもしれません。うちの場合、長男は本を読むのが好きなので、ゴールデンウイークは世界の歴史を全巻そろえて読んでいました。こうした、それぞれの子どもによる特性を生かし、その経験から何を学んだか、どう考えたかを発表するような課題だといいですね。

Kさん たしかに、学校のカリキュラムを家庭でするのは難しいですよね。特に、道徳などはクラス全体で話し合って気づきを得ていくものなので、家庭でそれをすると、親の考えを押し付けてしまうことになりかねません。家庭でやれることは、ドリルで漢字をしたり「あいうえお」を覚えたりとか、そういうものなのではないかと思います。

Fさん 家庭科などの課題もいいですよね。こんなに長い間、家にいることはそうないと思うので、生きるための知恵を教えるにはいい機会だと思います。とはいえ、共働きの親からすると、いろいろ負担が増えてしまいそうですが……。

Kさん 今回の休校によって、公立小でも、これまでのような画一的なやり方では無理があると感じた人は多かったと思います。それぞれの家庭の状況に合わせた支援が、今後は必要になってきそう。

 もちろん、誰でも平等に教育を受ける機会を与えることが、公立の学校の使命だとは分かっています。ただ、今は、学校や地域によって、また、家庭の事情によって学習環境に明らかな格差が生まれています。必要とするサービスも一人ひとり違うはず。その前提に立つと、こうした有事に必要としているサポートがそれぞれ違うことも、もう少し理解してもらえるのではないかと思います。