Kさん ICT教育への対応は地域差が大きいですよね。渋谷区は、2017年には、児童・生徒一人ひとりに1台、タブレット端末を配備する取り組みを始めていました。目黒区公立小学校は、5月からe-learningでのドリルなどを始めましたが、双方向型のオンライン授業はまだです。区ではICT機器の貸し出し事業も始めていますが、用意されているタブレットの数は440台程とそこまで多くありません。

Sさん 私は毎週土曜日の朝、有志でZoom会を始めました。50人いる小5の息子の学年のうち、だいたい半数くらいの人が参加していました。担任の先生にも「先生もサプライズの形で、参加できませんか?」とお願いしましたが、それは難しいとのことでした。全員参加ではないとだめみたいですね。

 ただ、オンラインでみんなとつながるようになって感じたのは、学校から出された課題に対して、友達は何を感じたか、どんな風に取り組めたかなどを話し合えることが重要なんだ、ということです。知識を増やすのは後からでも追い付けますが、そうした「他人の意見を知る」といった経験は、リアルタイムじゃないとなかなかできませんよね。

Kさん 私も、小学校の先生に「Zoomで朝の会をやりませんか」と提案してみました。ただ、「セキュリティーの問題があって難しい」との回答でした。ネット環境が整えばネット上でつながれるし、困ったときに友達に相談できていいと思ったのですが、なかなか難しいようです。

Sさん 先生ではないですが、世田谷区では教育委員会で、YouTubeに「せたがや まなびチャンネル」という動画を投稿し、ダンスや自宅でできる外国語活動などの講座を提供していましたよね。また、東京都教育委員会でも、「TOKYOおはようスクール」という番組で小学生向けの授業などを行い、TOKYO MXテレビで放映していました。うちの娘は、その先生を毎日見ていたので、今まで3回しか会ったことのない小学校の担任の先生よりも親しみを感じていましたね(笑)。

 先生がNHKの朝のニュースに出たり、ラジオに出演したりしている地域もありますが、やっぱり、知っている先生がテレビやラジオに出ると、子どもたちはすごく喜びます。

Kさん そうですよね。子どもたちは「オンライン授業」というより、なんらかの方法で先生からの直接的な励ましがほしいのだと感じました。今後もこうした外出自粛があるかもしれないことを思うと、何らかの方法で、先生が子どもに声をかけられる方法を考えてもらいたいです。