日経DUAL5月号では、先の見えない時代を見据えた「中学受験特集 コロナ後の進路選びを考える」特集をお届けしました。

編集部員A(小2と5歳の姉妹のママ)とC(小2と3歳の姉妹のママ)の二人は、中学受験や高校受験の専門家たちへの取材を終えて、それぞれの教育方針にどのような変化が生じたのでしょうか。特集取材班の編集後記の形でお届けします。

中学受験?高校受験?長期的視点で考える判断材料に

「中学受験特集 コロナ後の進路選びを考える」特集

地方&公立出身で首都圏の進学事情が分からない編集部員たちが、中学受験や高校受験の専門家に徹底取材。わが子の進路を考える上で知りたいことを根掘り葉掘り聞きました。



中学受験のイメージがガラリと変わった!

編集A 特集は、地方出身で首都圏の進学事情がよく分からない私たちが、先の見えないコロナ後の社会で子育てをしていくに当たり、子どもたちの進路をどう考えればいいか、手がかりがほしいというところから始まりました。取材を経て、Cさんは家庭の教育⽅針や子どもの進路に関する考え⽅は何か変わりましたか?

編集C 中学受験に対するイメージがガラリと変わりましたね。わが家は夫婦ともに地方の公立中学→公立高校の出身で、これまでは中学受験が選択肢に入らず、小2の長女に対して、勉強面では放任主義を貫いてきました。でも、この特集を担当して、本人が望むなら中学受験をさせるのもいいなと思うようになりました。

編集A きっかけは?

編集C 私立や公立の中高一貫校の入試の最近の傾向を取材して、入試問題に衝撃を受けたことです。そこには私自身、「こんなことを子ども時代に考えたり知ったりしていたら、その後の人生の糧になっただろうな」と思えるような問題がずらりと並んでいたのです。

編集A 記事でも紹介した、公立中高一貫校の「やじろべえ」の問題とか、私立中高一貫校の「禁断の恋」をテーマにした文章問題とかね。「えー、こういう問題が出るんだ!」と、私も驚きました。入試問題はその学校の教育方針を表すと言うから、「中高一貫校ではこういう教育が受けられるんだ」というのが透けて見えて、興味深かったです。

「こんな問題が出るの?」記者が驚いた最近の入試傾向とは

思考力型へ変わる中高一貫校入試 学校の意図を分析

桜修館で「やじろべえ」、渋谷教育学園幕張で「禁断の恋」、灘で「格差社会」がテーマに。受験のプロが最近の入試の傾向を解説。



編集C Aさんは特集を経て、考え方は変わりましたか?

編集A はい。 肩の力が抜けたことが一番大きな収穫ですね。

編集C というと……?

編集A 私も地元中→公立高校と公立出身なので、これまでは、小学生に何年間も受験勉強をさせてまで中高一貫校に入れたいとは思えず、どちらかというと中学受験には懐疑的でした。一方で、姉妹を育てる親として、「東京では、女子は中学受験して中高一貫校に行かないと、高校受験では選択肢が極端に狭くなる」という噂に惑わされ、「納得はいかなくても、この先、とりあえず中学受験はさせることにはなるんだろうな」と漠然と考えていたんです。でも、本特集で最近の中学受験の傾向を知り、子どもに中学受験を経験させることでどのような学びが得られるのか見えてきたので、今は、どちらかというと、「挑戦させてあげるのもいいかもしれない」と思うようになりました。

 「何が何でも中学受験に合格して中高一貫校に行ってもらわなければ」とは、もちろん思いません。高校受験をする場合でも、女子にだって都立や私立、さまざまな選択肢があることが分かったので、中学受験でダメだったら地元の公立中に進んで高校受験でまた頑張ればいい、と肩の力を抜いて考えられるようになりました。

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一貫校の高校募集停止やコロナ 受験にどう影響

中高一貫校が相次いで高校募集を停止している理由と実際の影響は?「高校受験する女子の選択肢」は意外に少なくないことが明らかに。



編集C 「受験するからには絶対に合格してもらいたい」と思っているわけではないという点で、私も同じです! 高校受験をすることになったとしても、東京の公立高校=都立高校も魅力があることが分かったので、選択肢は大きく広がりました。

編集A 本当にそう。都立高は最難関の進学指導重点校7校以外はよく知らなかったので、これら以外にも大学進学指導に力を入れ、文武両道の精神で学校行事に力を入れ、充実した⾼校時代を過ごせそうな都立高がたくさんあることが分かったことは、うれしい驚きでした。

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