2018年4月22日、小学校1年生から3年生までの子どもを対象に、ゲームや実験を通して科学や数理への興味を抱くきっかけ作りの場を提供するイベント「ダヴィンチ☆マスターズ」が開催されました。当日保護者向けに開催された特別講演会「子どもの好奇心の伸ばし方」には、灘中学校・高等学校の和田孫博校長、LLP ASOBIDEAの山田力志代表、SAPIX YOZEMI GROUPの高宮敏郎共同代表が登壇。ここでは講演の様子を一部、お届けします。

わが子はICTを駆使できるグローバリストになれる?

 子どもがもっと知りたいと自ら思えるようにするにはどうしたらいいのか。子どもの好奇心はどうしたら伸ばせるのか。日々、試行錯誤しているご家庭は多いかと思います。

 「子どもの好奇心の伸ばし方」をテーマにしたこの講演会では、子どもたちのどんな能力を伸ばしたらいいのかという視点で、灘中学校・高等学校の和田孫博校長が今の子どもたちに求められる力や、今後問われる力について解説しました。

 「今の子どもたちが世の中に出て活躍する20年後、30年後の日本は、少子高齢化は避けて通れず、社会構造も今までとは違ってくるのが大前提です」

 日経DUALの読者世代には、子どものころからライバルが多く、競い合って勝ち上がっていくのが当然という中で育った人も少なくないかもしれません。一方で、「ライバルに勝つ」という考え方だけでは、今後は立ちゆかない可能性があることも、感じているのではないでしょうか。

 和田校長は「人口が減っても持続可能な社会にするためには、助け合いが必要です。これまでは国内で生産・販売が成り立っていましたが、販売に対する需要はどんどん減っていきます。すると今以上に、市場を海外に求めていかなければならなくなるでしょう」と言います。

 また労働人口の減少を、外国人労働者によって補完することも考えられます。国内にいても、英語力を含めた「グローバルな力が求められるようになる」(和田校長)というわけです。

 20年、30年後は情報技術の進歩により、日本だけでなく世界中で今存在する仕事の半分以上をコンピューターが担うようになる、2045年には人工知能(AI)が人間の頭脳を超える時代、シンギュラリティ=技術的特異点に到達してしまうのではないかともいわれていますが、だからといって「AIに仕事を奪われる!」とおびえる必要はなく、「ITを使いこなせる人材が求められるようになると考えればいい」と和田校長。

 つまりこれから求められる人材は、「ICT(情報通信技術)を駆使できるグローバリスト」(和田校長)だというわけです。

 そう聞くとITの能力を高めるためにプログラミング教室に入れて、英語を習わせて留学させて……などと焦ってしまいそうですが、和田校長は「今の子どもたちはITネーティブで、生まれてきたときから、周りにコンピューターもスマートフォンもありますよね。人間を超える能力を持つコンピューターも、子どもたちは必ず駆使できるようになり、その恩恵を人間に戻してくれるのではないでしょうか」と言います。

「子どもの好奇心の伸ばし方」講演会の様子。小学校低学年の保護者が多数集まった
「子どもの好奇心の伸ばし方」講演会の様子。小学校低学年の保護者が多数集まった

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  • “グローバル”=“海外”“英語力”ではない
  • 学ぶうえでの競争動機、理解動機、感染動機とは
  • 嫌がることを無理やりさせても、ダメ

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