仕事、家事、育児と、とにかく忙しい共働き家庭。特に家事は限られた時間で、できる限り効率良く回したいものです。中でも、忙しい平日の夕食は、共働き家庭の悩みの種。そこで、日経BP総研フェローの麓幸子さんに料理の時短のコツを、料理研究家のたっきーママさんに、忙しい共働き家庭にぴったりな “理想のレシピ”を聞きました!

料理の時短を実現する3つの工夫

麓幸子さん(日経BP総研フェロー/元日経ウーマン編集長)
麓幸子さん(日経BP総研フェロー/元日経ウーマン編集長)

 子どもが生まれたら、夫婦仲良く子育てしよう! そう誓ったはずなのに、家事の分担を巡って、夫婦仲が悪くなっていませんか?

 麓さんは、「夫婦共に責任ある仕事を任せられている場合、労働時間も長いのに、『どちらが家事・育児をやるの?』と時間の奪い合いになってしまいます」と語る。結果として母親が一人で抱え込む「ワンオペ家事」や「ワンオペ育児」になりがちです。

「『夫・男は職場で忖度しても、家庭で妻に忖度してくれない』という声も聞かれます。でも、妻もやって欲しい家事は、夫にきちんと伝えて話し合うべきですね。夫が家事をやってもうまくできず妻に叱られる『家事ハラスメント』なんて言葉もありますが、今までやったことがない初心者だからある意味仕方ない。ほめて育てることも大切です」。とはいえ、なかなか家事分担が進まない理由には、日本の女性の意識にもあると指摘します。

「日本にはまだ、昭和の高度経済成長期にできた『男は仕事、女は家庭』という意識が根強く残っています。それが足かせになって、収入の高い女性でも、家事を夫に任せたりアウトソースしたら、妻として母としてダメなのでは? という葛藤を抱いてしまいます」

 でも、それでは家事分担も進まず、ますます夫婦円満から遠ざかってしまいます。

「いろいろな人やツールに頼るのは手抜き家事ではなく、スマート家事だと考えて欲しいです。便利なツールを利用して家事初心者のハードルを下げる、家事をアウトソースして手間自体を減らすなどして、家事分担をどんどん進めるべきです」

 洗濯、掃除と、家事にもいろいろとありますが、なかでも「料理」は重要。「食卓は家族が集いだんらんする場所。また食べることで栄養を摂取し、健康な体を作るなど、家族の幸せと直結しています。でも、献立を考えるところから、買い物、調理、片付けまで、料理にかける時間って実はすごく長いもの。負担も大きいですよね」

 そこで麓さんが提案するのが、3つの方法。まずはレシピサイトなどの活用。「瞬時にレシピを提案して、必要な食材も教えてくれるレシピサイトはとても便利です。食材リストや料理手順が動画で確認できるものもあり実用的です」

食生活提案「ウィークックナビ」
――パナソニック
 「毎日違う献立を考えるのは大変。好みやライフスタイルに合わせて献立を提案してくれるサービスはありがたいですね」。「ウィークックナビ」なら、1週間分の献立を提案し、まとめ買い食材リスト、休日の下準備、平日の仕上げ調理までをナビゲート。効率的な調理方法も記されており、時短調理したい人にもおすすめ。

献立アプリ「e食材辞典」
――第一三共
 料理は献立を決めるところからスタートするもの。迷ったときは献立アプリを活用したい。「e食材辞典」は、630以上の食材、3,700以上のレシピを収録。旬の時期や新鮮な食材の見極め方、下処理の方法や栄養価が分かる。冷蔵庫にある食材で献立を立てたいときにも重宝できる。

 続いては、翌日の朝食やお弁当作りのバタバタを解消する、夜の事前準備。「忙しい共働き家庭は帰宅時間もバラバラで、夜に家族が揃ってご飯を食べるのは難しいです。朝くらいは家族でゆっくり会話をしながら食事を楽しみたいですね。例えば前の晩にスープや煮物を準備しておけば、翌日の朝は温めるだけでOK。これだけで毎朝のバタバタが解消されます」

「また、忙しい日には、献立作りに必要な食材と献立レシピがセットで届くミールキットなどの便利ツールを使うのもひとつの方法ですね。デリバリーを利用すれば、調理時間をゼロにしてしまうことだってできます」

ミールキット「Kit Oisix」
――オイシックスドット大地
 選んだメニューの食材が、必要な分だけ入っているミールキット。「献立を考える、食材を揃える手間が省けるので、時間がない人の味方ですよね」。「Kit Oisix」なら、20分で主菜・副菜の2品が完成。厳選された安全な食材で、小さい子どもがいるお母さんにも安心。

デリバリー「出前館」
――夢の街創造委員会
 仕事などで、全く時間がないときに助かるのが、デリバリーサービス。全国16,000以上、洋食、和食、ヘルシー食など、多様なジャンルの店舗が登録されている「出前館」なら、住所を入力するだけで、配達可能な店舗、待ち時間やメニューが表示され、注文が可能。手軽に人気店の料理が味わえるのが◎。

コンビニ受け取り「ローソンフレッシュピック」
――ローソン
 スマホアプリで生鮮食材を朝予約すると、夕方には指定したローソンに届けられるサービス。生鮮スーパーの多様な食材が選べるほか、18時以降好きな時間に受け取れる点も便利。専門店のグルメ食材や便利なミールキットもアリ。買い物の手間を省き、鮮度も質も高い食材を手に入れることができる。

 最後は、周りと助け合って幸せになるマルチオペレーションことマルオペ。

「ママ一人で家事・育児を抱え込むワンオペが社会問題になっています。でも、これは本当に辛いこと。幸せな家庭を築くには、どちらかが我慢したり、夫婦で押し付け合うのではなく、便利なツールと家事サービスなどあらゆるリソースを使うことを検討しましょう。また、ママ友・パパ友など地域コミュニティの中で、信頼できる友達のおうちと子どもを預け合うなど、助け合える関係性が大事なんです」

 いろいろな食卓の悩みを抱える、忙しい共働き家庭。上記のような解決方法があるものの、具体的な時短でおいしいレシピも知りたいところ。そこで、次ページからは、料理研究家のたっきーママさんが最新家電を使って実際に調理した、忙しい共働き家庭にぴったりな “理想のレシピ”を紹介していきます。

食生活提案「ウィークックナビ」
献立アプリ「e食材辞典」
ミールキット「Kit Oisix」
デリバリー「出前館」
コンビニ受け取り「ローソンフレッシュピック」