日本人が最も食べている果物がバナナ。国民的人気を誇るこのフルーツに、いま、注目すべきトピックがある。ドールの生産するバナナのうち7種類9品目が、バナナで初の機能性表示食品(*)になったのだ。その理由はGABAの豊富さにある。「血圧が高めの方の血圧を下げる機能がある」と教えてくれるのは、血管ケアで有名な医師、池谷敏郎さん。今回はバナナのGABAのメリットについて学んでいこう。

30代でも血圧は日々のストレスで上昇する

 血管や血流、そして血圧は私たちの健康にも美容にも大きな影響を与える要素。生活に根差した、循環器系のケア方法を発信し続ける医師、池谷敏郎さんは、ことに血圧についての私たちの思い込みについて懸念している。「高血圧は高齢者たちだけの症状」と考えている20代、30代は非常に多く、自分の血圧の変化に無頓着になりやすい点だ。女性は特に、かつて低血圧症であった経験や健康診断などで測った際の血圧の値から、情報をアップデートしていない人が多く、注意が必要だという。

「自分は低血圧と思い込み、自覚がないままに高めの血圧になっていたという方は少なくありません。血圧は年齢を重ねるにつれて生理的に高くなります。しかし近年では、様々なストレスによって、若年層から血圧が高めになるケースが増えています。ストレスを感じると血管を収縮させる神経伝達物質、ノルアドレナリンなどのホルモンが増えます。その結果、血管の抵抗が強くなることで血圧は高くなるのです」