アイドルグループ「乃木坂46」の2期生として活動している山崎怜奈さんは、歴史好きの “歴女”として有名で、クイズ番組でも活躍中。テレビ番組「乃木坂46山崎怜奈 歴史のじかん」で約1年間MCを務めました。アイドル活動の傍ら慶応大学を卒業。現在もクイズ番組出演のため、番組ごとの出題傾向を分析するなど知的探求を続けます。そんな山崎さんに、中学受験の体験談や、子どもを歴史好きにするために親ができることなどについて聞きました。

中学受験は教科書中心、塾で苦手分野をフォロー

日経xwoman DUAL(以下、略)―― 読者には、子どもの中学受験を検討している人がいます。山崎さんは都内で中学受験をしていますね。自身の意思だったんですか。

山崎怜奈(以下、山崎) はい。通っていた地元の小学校になじめず、地元の中学校に行きたくないという気持ちから、母に相談して受験させてもらいました。両親が共働きの一人っ子とはいえ、やりたいことに何でもお金を出してくれるような家ではなかったので、都立の中高一貫校と私立1校の2校だけ受けたんです。

アイドルグループ「乃木坂46」の2期生として活動している山崎怜奈さん
アイドルグループ「乃木坂46」の2期生として活動している山崎怜奈さん

―― 塾にはいつから通っていたんでしょうか。

山崎 実は、受験を決めたのは割と遅くて、小学6年生になってからです。それまでは「中学受験をしようかな、どうしようかな」と悩んでいて、「やっぱり受験したい!」と思ったのが小学6年生になってからでした。まわりの子は、小学4年生とか5年生から塾に通っている子もいましたが、当時の私には危機感がなく、母に、「塾に行くの? 行かないの?」と選択を迫られてタイムリミットを感じ、勢いで6月頃から塾に通い始めました。

―― 親からの「トップダウン」ではなく、塾も自分で行くと決めたんですね。

山崎 そうです。私の両親は小さい頃から、塾に限らず、何でも私に選ばせていました。私は選んだうえで、それを選んだ理由も親に説明しなければならなかったんです。

―― 受験勉強は、実質的に半年ぐらいだったわけですね。

山崎 短期集中でした。中学受験の勉強って、「小学校でいかに教科書をちゃんと読んでいるか」だと思います。中学受験のために塾に行く、家庭教師をつける、通信教育やオンラインを活用するなど、手段はいろいろありますが、何より教科書を徹底的に読み込むのが良いと私自身は思っています。塾では苦手な部分を強化してもらったり、受験テクニックを教わったりしていました。

 受験で、都立は落ちてしまいました。私立中学受験では、合格者の上位4位までは入学金や授業料が免除される特待生になれるので、それを目指していたのですが、私は、合格したものの、特待生には入ることができませんでした。合格発表を見て「ヤバい」と思って、父に泣きながら電話をしました。「特進クラスには受かりましたが、特待生にはなれませんでした。でも、地元の中学校には通う自信がありません。いかがいたしましょう?」って。そのとき、父からは「分かった。でも、大学は国公立か早慶じゃないと許さない」と言われました(笑)。

―― その後、慶応大学に進学し、結果的にお父さんとの約束は果たされました。

山崎 その場では、「はい、分かりました」とは言いましたが、そのときは小学6年生ですし、約束を守るつもりで返事はしていませんでした。「来年度からは、奨学金を取りなさい」と父から言われたので、それに向かって中学に入ってからも必死で勉強をしました。

―― 中学、高校と、成績は学年トップクラスだったそうですね。

山崎 親からのプレッシャーもありましたから(笑)。私の場合、中学受験は、小学校の人間関係からの「逃げ」だったんですけど、ただ逃げたうえで、ぼんやり過ごすのは、筋が通らないとも思っていました。自分でお金を出すわけではないので、親の保護下にある以上は、逃げた先で頑張るべきではないか、と。父からは、学費の明細も見せられていたので、よけいに勉強を頑張ろうと思いました。両親は、これだけのお金を出して、私に成長してほしいと思っているということですから。