現在の冷凍食品のクオリティーに頼れば、忙しいパパとママの時間や心にゆとりが生まれる。仕事の帰りが遅くなった日の食卓は、実力派のフローズンフーズでサクッと整え、親子でのおしゃべりに花を咲かせよう。フローズンフーズの魅力、利用テクから、アワード受賞したスグレモノまで、一挙ご紹介。

【話を伺うのは、“冷凍王子”西川剛史さん】
【話を伺うのは、“冷凍王子”西川剛史さん】
にしかわ・たかし●ベフロティ株式会社代表取締役社長。大阪市立大学大学院修士課程修了後、冷凍食品会社で商品開発に従事。独立後は、企業や第三次産業従事者への冷凍術、商品開発・マーケティングアドバイスを行う。また消費者に向けては書籍やメディアを通じ、正しい冷凍技術や冷凍食品の活用方法についての情報を発信。

早い、おいしい、ヘルシー! 冷凍食品トリビア4

西川剛史さんが冷凍食品開発のプロを目指し始めたのは高校生時代。実家のキッチンで「おいしいものが簡単に作れる、冷凍技術の奥深さに気づいた」時からだ。初志貫徹の現在、消費者と、企業や六次産業化を目指す農家らとの橋渡し役をつとめ、冷凍食品情報の発信には欠かせない「冷凍王子」と呼ばれる存在に。

フローズンフーズは確実に進化し続けている。共働きが増え、そこに子育ても加われば、調理時間の短縮は各家庭の重要課題だ。その上、「家族で、栄養価が高く健康的な食生活を送りたいと考える、ヘルシー志向の方々も増えました」と、西川さんは実感している。

「肉魚、野菜や果物まで多くの食品は冷凍が可能。数ある選択肢を存分に活用すれば、フローズンフーズだけで安全で体にいい食卓が用意できます。消費者の期待に応える新しいアイデアや味が次々と登場しているので、改めて注目してください」

フローズンフーズの魅力を、120%利用するための知識&コツを、“冷凍王子”西川さんに解説してもらおう。

 トリビア 1 
家庭でのフリージングとは一線を画す!?

――「冷凍食品」を名乗る条件は4つ。厳格な管理と技術、思いやりが必要なのだ。
多彩な食品をとりたて・つくりたての状態のまま長期保存するために生まれた冷凍食品。厳しい管理のもと、通常、下の条件を満たしてようやく製品として流通することができる。

条件1 『事前処理』:利用者に代わってあらかじめ前処理をしていること。
条件2 『急速凍結』:非常に低い温度で急速凍結していること。食品の組織が壊れ品質が損なわれることを防ぐためで、家庭用の冷蔵庫では不可能な工程。
条件3 『適切な包装』:消費者の手元まで届く際に、汚れたり中の食品が型崩れしたりしないようなパッケージで適切に包装されていること。
条件4 『-18℃以下の温度で保管』:賞味期限まで品質が保たれるためには、-18℃以下での保管が必要。食品の傷みの原因になる雑菌も、-18℃の環境では増殖しない。
(参考:「日本冷凍食品協会」ホームページ)

安全のための厳しい温度管理のもと、私たちの忙しい毎日のサポーター、冷凍食品は生産されている。

 トリビア 2 
「メインとサブのストック習慣」で、買い物ストレスをなくす

――東京オリンピックで、選手たちの約60万食をスムーズに用意できたのは各国の料理の冷凍ストックだった。
忙しく過ごした日、仕事場からの帰宅途中の買い物はなかなかのストレスだ。「子育ての最中なら特に、フローズンフーズを賢く利用して、時間とカラダを大切にしてほしい」と西川さん。冷凍食品の利用に小さな罪悪感があったのは、はるか昔のこと。メイン、サブ、素材系のストックを欠かさないことで、家族時間のパフォーマンスは確実に上がる。

「夕食のメインにもなるメニュー商品の研究開発は目覚ましく要注目です。専門家チームが試作を重ねた逸品だけが商品化を許されるのですから、確かなプロの味を楽しみながら家族との食事に彩りを添えてください」

1964年の東京オリンピックに来日した選手の数は約7000人。選手村で供された食事は、のべ60万食ほどだった。そして、彼ら、彼女らの活躍の要となる食事に登用されたのが冷凍食品。

多彩な国々の味を短時間で供するために、早い時期から食材が集められ、プロによる料理が急速冷凍を施されストックされた。選手たちからは好評を博したという、この計画の中心人物は、時の帝国ホテルの村上信夫シェフだった。
(参考:サイト「冷食オンライン」)

「大手冷凍食品会社に相談し全面的な協力を得て実現したプロジェクトで、日本のフローズンフーズの進化にとって最も重要なできごとの1つです」