導入から4年、個々の成長に見合う環境を

 常に先々を予想しながら、パートナーがスムーズに仕事を進められるようにサポートしていく在宅秘書は、出社する機会が少ないことがデメリットにならないよう、「指定された期日より前倒しで対応する」「分からないことがあっても隣の人に聞くことができないため、早めの報告・相談を心がけている」など、細やかな配慮を欠かさず、誠実に仕事を進められる人材ばかり。在宅ワークは確かにフレキシビリティに富んではいますが、それは楽ができるという意味ではなく、家にいながら公私をきっちりと分け、どんな状況でも最高のパフォーマンスを提供できる自己管理能力の高い人でなければ務まらない仕事とも言えるでしょう。

 PwC Japanグループに在宅秘書システムが導入されてから4年。今回の来日で、日本人の在宅秘書と初めて顔を合わせたパーシルバーさんは、そのときの様子を笑顔でこう振り返ります。

 「ある女性が"私が次に進むべきステップとして、どのような選択肢があるのでしょう"と尋ねてこられたのです。この質問は本当に素晴らしいと感じました。彼女たちは、これまで自分の仕事に真剣に取り組み、それを達成してきたはず。その自信があるからこそ、次のステージに進むことを考えるようになったのでしょう。子どもが大きくなり、再び自分のキャリアを真剣に考える時期になったこともあるかもしれません。私たちは、そんな彼女たちに、目指すべきモデルを提示し、導いていかなくてはなりません。その責任は大きく、同時に私にとって喜びでもあります」

 パーシルバーさんは、この一つの質問から、日本における在宅秘書システムの成熟を実感したと話します。