子育ての“困った”を軽減するサービスが続々

 沖さんに、子育て世代にお勧めの商品・サービスを紹介してもらいました。
 「忙しくてご自身の服を選んでいる時間がないという方には、やはり洋服のサブスクはお勧めです。また、絵本や知育玩具のサービスも良いと思います。それぞれの専門家が子どもの月齢・年齢に応じたものを選んで定期的に届けるサービスで、複数の企業が展開しています。インターネットには多くの情報が掲載されていますが、情報があふれ過ぎて、かえってどれを選んだらよいかわからないという方も多いので、絵本やおもちゃのサブスクはお母さんに喜ばれています」

(写真提供:payless images)
(写真提供:payless images)

 絵本の場合は購入型のサービスが主流ですが、おもちゃは一定期間遊んだら返すというスタイルが中心だそうです。子どもの成長に従い、「遊ばなくなったおもちゃをどうしたらいいの?」という悩みも出てくるものですが、このサービスならモノがあふれる心配は無用。もし気に入れば、買い取りも可能です。
 「小さいお子さんのいるご家庭なら、育児で困ったとき、医師や専門家に相談し放題のサービスもお勧めです。乳幼児期のお子さんがいると、夜中に高熱が出て夜間診療窓口に行くべきか悩むとか、咳がおさまらないけれど受診の必要があるのか迷うといったことがあるものです。そんなときにオンラインで相談すれば、朝9時から夜24時までなら30分以内に医師や歯科医師などの専門家から返信がきてチャット形式でやりとりできます」

 もちろん、大人の悩みも相談できます。何かと自分のことを後回しにしがちなママやパパも、自身の不調について気軽にアドバイスを受けられそうです。
 「子育て中は自由に使えるまとまった時間を持つことが難しいもの。そういう時期には、すき間時間で映画が見られる動画配信サービスもいいのではないでしょうか。まだ子どもが小さくて映画館に行けないという家庭にもお勧めです。現在は、カテゴリー別に分類されていて探しやすいポータルサイトもあります。何かを購入したい、利用したいと考えたときは、一度のぞいてみることをお勧めします」

使い過ぎに注意! キャンペーンやお試し期間の上手な活用を

 サブスクリプション利用時の注意点はあるのでしょうか。
 「ケースによっては提供されるサービスの選択肢が限られます。例えばファッションサブスクリプションサービスでは、特定のアパレル企業が運営している場合、送られてくるのはその企業が展開する服に限定されます」
 また、サブスクは一件当たりの月額料金が低く済むことが多いため、何件も申し込んで、気付くと高額になっているというケースがあるといいます。
 「アメリカでは、サブスクリプション契約を一括で管理でき、解約もそこからできるという家計簿アプリが広く使われています。日本でも近いうちに普及しそうです」

 さらに、購入するよりもトータルでは高額になるケースがあることも覚えておくべき。
 「自動車のサブスクはまさにそうです。現在は月の支払いが新車だと5万円くらいします。10年間で600万円。軽自動車を長く乗るスタイルでいいという場合は、購入したほうがずっと安く済む。ですから、買い物全般にいえることですが、自分の趣味嗜好やライフスタイルに合った選択をすることが大事です。また、サービスの設定期間が2年や3年と長く、設定期間中に解約すると手数料が発生するプランもあります。申し込むときにそうした制約についても注意してください」

 では、自分に合ったモノやサービスを賢く利用するには、どうしたらいいのでしょうか?
 「まずはどんなものか試してみるといいですね。キャンペーンや無料お試し期間などをどんどん活用してみましょう。最初の1カ月は無料とか、最初は低価格で体験できるといった機会を多くの事業者が用意しています。不要だと思ったらすぐやめればいい。例えば、デジタル系のサブスクだと、容量制限付きの無料版があります。こういうサービスも利用するといいと思います」

 サブスクは、ほとんどのケースがインターネットからの申し込みになります。その際にポータルサイトなどで他社のキャンペーンや無料プランなどもチェックしてみましょう。
 「今現在はサブスク化が難しいものも、テクノロジーの進化により、やがてサブスク化できると考えられます。もちろん競争の中で淘汰される事業も出てきますが、サブスクが普及する動きは止まらないと思います」という沖さん。今は興味がないという人も、いずれは自分にマッチした商品やサービスが見つかるかもしれません。

 後編では、実際のサービスを利用し、流れや使い勝手などをレポートします。

(文/松田慶子 写真/棚橋亮)

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