小学校3年生から(2018年度は2年生から)の無試験先着順の「宮本算数教室」で卒業生の80%を首都圏トップ中学校に進学させてきた宮本哲也先生が、2018年3月、わが子が伸びる 親の 技 スキル 研究会主催の講演会「今年度の算数入試では何が問われたか」を行いました。講演会には子どもも参加でき、大人たちが先生の話に熱中する間、子どもたちは配られた算数の問題に熱中! 目からうろこの中学受験対策とともに、とても印象に残りました。そんな講演会から一部をお届けします。
 また、中・下編では2017年12月に行われた講演会「お子さんが低学年の間にやるべきこととやるべきでないこと」と合わせて、「賢くなるために必要な3つの要素」をお届けします。

■宮本哲也さん(上) 算数ができる子の受験 模試の裏側 ←今回はココ
■宮本哲也さん(中) 低学年の算数 没頭力と考える力が学力アップの決め手
■宮本哲也さん(下) 算数で得られる 賢くなるために必要な要素

算数ができる子は文章を読み込める子

宮本哲也先生
宮本哲也先生

 「算数の解答欄は全部埋めた。なのに、結果が出なかった…」という言葉を、子どもから聞いたことがあるという場合、もしかしたらその子は、算数に興味が持てていないのかもしれません。

 今回の講演で宮本先生は雙葉、女子学院、フェリス女学院、桜蔭、武蔵、駒場東邦、栄光、麻布、筑波大学附属駒場(筑駒)、開成の10の中学校について、受験に出された算数の設問を振り返り、こうした中学では長い文章題が出されることについて言及。そのうえで「算数ができる子は問題文の一字一句もらさず、丁寧に、理解できるまで読み込みます。そして理解ができると書き出して規則を見つけ出します」と指摘し、規則が見つかれば、問題が解けると言います。また、「算数ができる子は、時間いっぱいまで見直します」とも。

 一方、算数ができない子は、理解できる前に解こうすると言い、「長い文章を読むのがめんどくさいのですね。だから数字だけ見て適当な規則性を見つけて埋めていき、早く終わらせたら、あとは見直しもせずに“あってますように”と祈るだけです」(宮本先生)。算数ができない子は算数に興味が持てていない子で、興味がないから早く終えたがる。それで全部埋めただけでは、よい結果につながるはずがありません。