通学路や習い事の往復時に被災する可能性も。どんな備えを?

―― 子どもが1人のときの備えは、通学路などの外出先でも必要ですね。

森下 通学中や習い事の行き帰り時に被災した子どもがどうやって身を守り、家に帰ってくることができるか考えておくことも大切です。私の友人の子どもは小学生の頃から電車通学をしていたのですが、友人は毎朝「行ってらっしゃい」と言いながら、何かあったらどうしようという思いが頭をよぎっていたそうです。

 その話を聞き、子どもが自分で身を守るための備えが必要なのではと考えて、同じ不安を抱えるママたち3人と子ども向けの防災ポーチを開発しました。

―― 開発に当たって、どのような災害を想定したのでしょうか。

森下 大きい災害だと地震です。また、停電や台風で電車・バスが止まって家に帰れないという状況も考えました。すると、親と連絡が取れない、暑い、寒い、おなかがすく、けがをしてしまうということが起こるかもしれません。そのような状況を想定して、どんなアイテムが必要かを話し合いました。

 アイテム選びの指針としたのが、家での備蓄で必要な8つのカテゴリー(下記)です。外出先ではこのうち上の1~5に対しての備えが必要だと考えました。

【家での備蓄で必要な8つのカテゴリー】

1.照明 停電や暗い場所に備えるため。懐中電灯など。(外出先でもマスト、1~5まで同)
2.情報 親と連絡を取るため。携帯電話の番号など連絡先を書いた紙や小銭など。
3.衛生 清潔にするため。けがをしたときのため。マスクやばんそうこう、ウエットティッシュなど。
4.暖・冷 寒さに備えるための使い捨てカイロ、暑さに備えるうちわなど。
5.食 空腹に備えるため。アメなどの食料。
6.清掃 ゴミ袋、軍手など。
7.給水 保存水やポリタンクなど。
8.調理 カセットコンロなど。

コンパクトさ、使いやすさ、メンテナンスフリーがポイント

―― アイテムを一つひとつ市販品から選び、セットを組んだとのことですね。私たちが、家にあるものを使ったり、自分で買い集めたりして防災ポーチを作る上で注意すべき点を教えていただけますか。

森下 かさばったり重かったりすると子どもは嫌がります。ランドセルのポケットに入るサイズを目安にして、コンパクトで軽いことにこだわったほうがいいと思います。

 また、防災ポーチは、一度子どもに渡したら、被災しない限り数年間ランドセルに入れっぱなしになる可能性もあります。そのためできるだけメンテナンスフリーであることにも気を付けたいですね。

―― 防災ポーチでメンテナンスが必要とはどういうことでしょうか。

森下 例えば、もしも懐中電灯を入れると、数年後に電池切れになっている恐れがあります。いざというとき電池切れでは、持たせる意味がないですよね。でも、私自身、定期的に電池をチェックできる自信がありませんでした。

 さらに、子どもが1人で使えるかどうかも重要な視点です。例えば手を清潔にするアイテムは、ジェルやウエットティッシュなどいろいろあります。今回はアルコールアレルギーの子に考慮してまず5種類くらいに絞りました。その中から、当時小2だった息子に実際にパッケージを開けてもらって、子どもが1人でも使えるものを選びました。