「株に興味はあるけど、なんだか怖い…」と感じる人もいるかもしれません。今回はコントトリオ「シンブン」(元ザ・フライ)の一人としてキングオブコント2011で準決勝進出の経験もあり、個人投資家に転身した井村俊哉さんに、前回の記事「年収3万円の元お笑い芸人が株式投資で資産1億円になれた理由vol.1」に続いて、共働き子育て家庭向けの投資法についてお聞きします。

 「共働き子育て家庭の資産運用で、株式投資は取り入れた方が良いのでしょうか?」と井村さんに聞いてみたところ、「株は、みんなやったほうがいいと思います」と即答!

 「僕は、数ある資産運用のなかでも自分には株が合っているし、最強だと思っています。いろいろな企業の業績や商品内容などを見ていると、世の中にあふれる情報への理解も格段に深まります。もちろん山あり谷ありですが、株式投資をすることは、自分の資産にも人生にもプラスになると信じています」(井村さん、以下同)

 子育て中は忙しい毎日ですが、だからこそ株式投資が真価を発揮するそうです。「僕は今、仕事や子育てに時間を使いたいので、取り引きに時間を掛けなくてもいい中長期投資に取り組んでいます。また時間ができたらガッツリ取り引きしたいですね。こんな風に、自分のライフスタイルに合わせて投資の仕方を変えられるのも、株の魅力の一つです」

 投資となると、数十万から100万円以上の資金が必要だと思われがちですが、数万円から買える銘柄もたくさんあります。

 「例えばボーナスで10万円のブランド物のバッグを買ったとします。しかし、やはり使わないなと思ってすぐに売ったとしても中古品になってしまい、物によっては相当お安くなってしまう。もし半額で売れたなら5万円の損失です。その点、株は違います。いったんは手元から現金10万円なくなりますが、株の価値が10万円より上がることもある。もちろん下がる可能性もありますが、配当金や株主優待がもらえればその分はプラスです。こう考えると、株式投資って巷で言われているほどリスクはない、と僕は思います。しかも株は5万円ほどで買える銘柄もたくさんあります。あまり気負わず、もっと気軽にカジュアルにトライしてみて欲しいです」

なじみのある会社からスタートしてみる

 初めて株式投資をする際は、「なじみのある会社から始めるのがお勧め」とアドバイス。

 「よく行くスーパーや外食のお店の株というのも手ですね。会社が成長していけば、株価は上がるものです。『いいお店だな』と思う人が多ければ、その会社はなくならないという考えもできますし。それなら好きな化粧品会社やお菓子メーカー、家電量販店なども分かりやすいですよね。

 「テクニカルが…」「今後の景気が…」とマーケットでは色々なことが言われていますが、過度に気にする必要はありません。世の天才たちが金融工学を駆使して攻略しようとしても、必ずしもうまくいくとは限らないのが投資の世界。投資は企業の成長に乗るものなので、いわば“人々の頑張り”が集まる場所と考えるのがいいと思います。ボーナスがちょっと多めに出たときに、『気になっている会社を10万円で応援してみるか』という感覚で始めてみると、意外にうまくいくものです。あと日本には、個人投資家が大好きな“株主優待”があります。株主優待狙いで株を買うのも、異次元のお得体験ができていいと思いますよ」

 実際井村さんは、ネットで調べたら8万6000円だった一眼レフカメラを、家電量販店の株主優待やクーポンを駆使して5万9000円で買った経験もあるとか。これも株式投資の魅力と言えます。

「投資先の会社が潰れたらどうしよう……」という不安がある人は?

 ただし、初心者にとっては、『投資先の会社が潰れたらどうしよう』という不安があるもの。

 「そんなに心配する必要はありませんよ。データで見てみると、上場企業3600社以上(2018年12月28日時点)あるうち、倒産件数は2016年はゼロ、2017年は2件、2018年は1件(東京商工リサーチのデータより)。逆に引き当てる方が難しいくらいです。といっても、あらゆるチャレンジに失敗があるように、会社だって失敗します。でも失敗を乗り越えた会社ほど力強く成長していくのではないでしょうか」