お母さんは「休める港」を作るだけでいい

 幼稚園・保育園までは、行きも帰りも親がびっちりついていましたが、小学校に上がるといきなり登下校は本人が一人でしなければならなくなります。

 これは本人も不安でしょうし、親はもっとです。だから毎年4月、1年生の下校時間になると、うちの小学校周辺の電柱には“刑事(デカ)”と化した怪しいお母さんたちが何人も隠れているくらい。でも、この登下校の緊張感たるや、子どもにとっては相当なものだと思うのです。

 保育園児にとっては、さらに課題があります。まずお昼寝の時間がないこと。そして放課後、すぐに家に帰るわけではなく学童に行かなければならないこと。1年生になった途端、まだ5~6歳のちっちゃな体で、これら全部をこなさなければならないって大変なことです。

 だからとにかく、夏休み前までは、家に帰ってきたらゆっくり過ごさせることを優先事項にしました。すぐにごはんを食べさせ、ひと通り話を聞いたらお風呂に入る。うちはお稽古事はほとんどさせていませんでしたが、疲れて行けないときは休ませていました。

 ごはんの内容も最低限。「昼間、給食でバランスの取れたごはんを食べているんだから、大丈夫!」と自分に言い聞かせ、ごはん・味噌汁・ししゃもなんて感じ。

 でもお風呂だけはシャワーで済ませず、必ず湯船に入らせるようにしていましたよ。そのほうが疲れの取れ方も違うはずですし、温まりながらゆっくり話を聞けますから。

 不慣れな生活に、お風呂に入りながらべしょべしょ泣いていたこともありました。でも、ただひたすらに「うん、うん。そうだね、そうだね」と聞いてあげると、お風呂を上がるころには鼻歌を歌い出していました。大切なのは、このデトックス。不安な気持ちはその日のうちに吐き出させてあげれば、大抵のことは解決すると思います