「呼吸」は、唯一、自分で自律神経を整えられる手段

心が落ち込みやすいときは自律神経が乱れていますよね。その原因であり結果の一つが呼吸の浅さです。日常生活で生じる身体の歪みや筋肉の衰えのせいで、深く呼吸するための身体の機能がこわばった状態になります。ピラティスは「動くマインドフルネス」ともいわれ、呼吸とともに背骨や筋肉を動かして、脳の伝達と身体の機能を本来あるべき状態に整えてくれるわけです。

息を長く吸って吐く動作を繰り返し、深く長い呼吸ができるようになるとともに自律神経が整っていきます。自律神経は、無意識に体温や血圧、心拍や消化活動をコントロールする、オートマチックな神経です。その中で唯一、呼吸だけはマニュアル(手動)でも制御できるのです。ここがすごい点ですよね。深く長い呼吸ができる身体と習慣があれば自律神経が整い、心身ともに健康な状態をつくれます。

ピラティスを続けることでストレス性のドカ食いや偏食欲求が減り、結果として痩せることは多々ありますが、ダイエットを目的としたメソッドではありません。身体本来の機能を整えて、日常の動作がいつまでもしなやかに健康に保たれるためのもの。まさに一生モノの身体をキープするために役立つと、生徒の皆さんにも話しています。食生活も正常になれば肌や髪など、気持ちに影響する美容面も健康的な状態に整っていきます。