のびのびと自由にモノを作る経験が、創造性を豊かに

――「embot」を使ってアイデアを自由に形にしてほしいとの思いから、小学生を対象とした「embotアイデアコンテスト」を実施しています。2020年に最優秀賞に輝いたのは「ぼくのめざましロボ」。朝寝坊のお母さんのために作ったという目覚ましロボットで、セットした時間になると音楽を鳴らしながら動き回るという大変ユニークな作品です。ほかにも独創的なロボットが全国からたくさん集まりました。

2020年のコンテストで最優秀賞に選ばれた、「ぼくのめざましロボ」。<br><a href="http://h.nikkeibp.co.jp/h.jsp?no=440740" target="_blank">embotアイデアコンテスト</a>
2020年のコンテストで最優秀賞に選ばれた、「ぼくのめざましロボ」。
embotアイデアコンテスト

中野 それはすごいですね! 皆、将来どんなクリエイターになるんだろうとワクワクします。創造力を測る試験で「一つのものに時間内でどれだけの使い道を考えられるのか?」というものがありますが、限られた条件の中でどんなユニークなロボットを生み出せるのか? 創造力の“本質”を測る、素晴らしいコンテストだと思います。

 知人から聞いた話なのですが、以前宇宙飛行士になるための試験を受けた時に「チームでロボットを作る」という課題があったそうなんです。ショックなことに、完成したロボットは「こじんまりとしていてつまらない」との評価を得てしまったそう。その知人は「皆、優等生だったから無難な作りになってしまったのかもしれない」と言っていました。

 やはり子どもの頃から自由な発想で面白いモノを作っていないと、いざ大人になって革新的なモノを生み出そうとしてもなかなか難しいものがあります。

 正解にとらわれず、のびのびとモノを作る。そんな経験を子ども時代にたくさん重ねることで創造性が磨かれ、将来社会にイノベーションを起こす人材へと成長を遂げるかもしれません。